DXという言葉を見ない日はない昨今、多くの企業でデジタル化の対応が求められていますが、「どうやって進めていいかわからない」という方がほとんどではないでしょうか。
中でも頻繁に質問がある社内問い合わせ対応は、働き方改革を受けて特に改善が求められています。
そこでみなさんの身近にある社内の問い合わせの課題に活用できるのが、AIチャットボットです。
もし作業が効率化できれば、担当者はより考える作業に時間をかけられます。
AIチャットボットでFAQを効率化できるよう、社内ヘルブデスクの課題やメリット、事例3つを紹介します。
目次
AIチャットボットとは
AIチャットボットは、チャットボットと人工知能(AI)を組み合せたものです。
AIチャットボットは、チャットボットのような画一的な回答ではなく、学習させれば、自然な会話ができるようになります。
AIチャットボットの活用例として、企業のFAQの対応や ECサイトの提案などに使われており、企業のブランディングにも貢献するといわれています。
国内でのAIチャットボット活用はまだ始まったばかりで、『AI白書2020』によれば現在のAI導入率は4.3%です。
しかし、そのうちの半分はAIチャットボットを導入しているという結果になっています。
AIチャットボットへの需要が高まっていることからも、AIチャットボットの導入は今後も広がる傾向にあるといえます。
AIチャットボットは、今後もいろいろな問い合わせの場面で、活用が期待されていくでしょう。
参考:2020年 角川アスキー総合研究所 独立行政法人情報処理推進機構『AI白書 2020』P303
なぜヘルプデスクにAIチャットボットが必要か
主に社内の問い合わせに対応するのがヘルプデスク業務です。
社内のIT資産管理、システム管理、ネットワークやプリンタ管理業務、その他業務があります。
なぜ、社内ヘルプデスクにAIチャットボットが必要なのでしょうか。
その理由は
- 社内FAQ対応数が膨大になっている
- 問い合わせ内容が複雑になっている
- ヘルプデスクの人手不足
の3つがあります。
それぞれ解説していきましょう。
社内FAQ対応数が膨大になっている
いま社内FAQ対応数が増えています。
その理由として昨今のダイバーシティ、働き方改革、テレワークの開始など、社内の制度の変更が影響しています。
例として、以下のような問い合わせが増えています。
- 新しシステムの使い方
- システムのバージョンアップによる問い合わせ
- 違う人から同じような質問への回答
社内FAQの対応は、新システムの導入や制度の変更の対応により、問い合わせが増えている状況といえます。
問い合わせ内容が複雑になっている
各種制度の新設もあり、個人ごとの対応になると問い合わせの内容が複雑になる傾向にあります。
例えば、クラウドのサービスやツールを社内に導入したとしましょう。
基本的な使用方法はヘルプデスクで説明できますが、より細かな使い方や他のツールとの連携方法は、ヘルプデスクでは対応しきれません。
あらかじめ問い合わせ内容を振り分けておかないと、ヘルプデスクでは対応しきれない内容に時間を取られる、ということが起きてしまいます。
問い合わせ対応が複雑になればなるほど、対応する時間も増え、業務を圧迫するようになります。
ヘルプデスクの人手不足
ヘルプデスクは、PCやソフトの使い方などに関する質問に答える必要があるため、ITスキルが求められます。
しかし、経済産業のレポートによると、IT人材は慢性的に人手不足。
今後はさらにこの傾向が続くといわれており、ヘルプデスクの人材は総じて人手不足といえます。
さらに規模が小さい中小企業になると、ヘルプデスクのスタッフは少人数で様々な機器のメンテナンス、PC管理を担当しなければなりません。
ITシステムを運用しながら、少ない人数で、社内の多くの問い合わせを対応することが必要です。
問い合わせが頻繁にあると、ある作業が止まってしまい、非効率となり、改善が必要といわれています。
出典:経済産業省:IT人材需要の変化①、中小企業における ITの利活用
ヘルプデスクにAIチャットボットを導入するメリット3つ
AIチャットボットをヘルプデスクに導入するメリットはどのようなものがあるでしょうか。
ヘルプデスクとAIチャットボットは親和性が高い業務といわれています。
その効果は、
- コストが削減できる
- 24時間365日対応できる
- 担当者による対応の差がなくなる
の3つがあります。
それぞれのメリットの詳細を紹介しましょう。
コストが削減できる
AIチャットボットがよくある質問を、回答するようになります。
基本的にはAIチャットボットが回答しますので、ヘルプデスクがその質問を対応する必要はありません。
導入し活用することで、
- 人件費の削減
- 教育にかかる工数の削減
という2つの効果が見込めます。
人件費の削減は、対応するヘルプデスクが不要になるので、今までの問い合わせにかかる時間をまとめて削減できます。
教育にかかる工数は、質問に対して一律な回答ができるように社員を集めて教育やセミナーを実施する場合があります。
その教育にかかる準備時間、資料作成など、教育にかかる多くの時間とコストが削減できます。
コストが削減出来ると、ヘルプデスクは詳細な確認が必要な複雑な回答など、AIチャットボットでは回答できない質問に割り当てることが可能です。
24時間365日対応できる
AIチャットボットが起動していれば、24時間365日の回答ができます。
ヘルプデスクにAIチャットボットがない場合、担当者がいない勤務時間外には社員の問い合わせに答えられません。
AIチャットボットを採用すれば、残業時間や土日など、担当者が不在の時でも社員の問い合わせに回答できます。
社員にとっても、時間を問わず問い合わせができるため作業効率が上がるため、ひいては社員の満足度も上げられます 。
担当者による対応の差がなくなる
AIチャットボットが対応することにより、人それぞれによる回答内容のばらつきがなくなります。
ヘルプデスクは、よく経験年数や習熟度によって、質問の回答内容がばらつくことがあります。
通常であれば、回答がばらつかないように、部署やチームで研修やトレーニングで回答を合わせる必要がありました。
AIチャットボットであれば、その時点での回答は一定ですので、バラつきがなくなります。
AIチャットボットに任せた分、人はより複雑なケースの問い合わせ対応に時間をかけられるようになるでしょう。
AIチャットボットをヘルプデスクに導入した事例3選
AIチャットボットは、実際に多くの問い合わせ業務で導入されており、実際に使用した方もいるのではないでしょうか。
自社へ適用する前に、他社事例はよくヒントになるといわれています。
導入前の課題や効果が参考になるからです。
ここでは、社内ヘルプデスクの導入事例を紹介します。
参考となる導入事例は、
- 三菱商事
- LIFUL
- ベルデータ
の3つです。
各社の事例を紹介していきましょう。
事例①三菱商事
日本の商社である「三菱商事株式会社」様の事例です。
社内ヘルプデスクに「IBM」のAI「IBM Watson」を導入し、オペレーターの業務効率化に成功しました。
Watsonは、社員から寄せられる質問の意味を理解した上で回答し、回答できない複雑な質問をオペレーターにつなげることを可能にしました。
また、社員やオペレーターの反応を学習することで、問題解決率の向上につなげているといいます。
チャットボットを通してマニュアルを共有しやすくなり、「この問題はあの人に聞かないとわからない」という属人化の回避に繋がっています。
事例②LIFUL
生産性向上の第一歩として活用をした事例です。
不動産情報サービス会社の「LIFUL」様のAIチャットボット導入前の課題は
- 会社が大きくなるにつれて使用するナレッジツールが増え、情報が拡散している
- 社内問い合わせの問題を解消させること
の2つがありました。
バックオフィスの10部門以上のQAをまとめてチャットボット登録し、運用を始めていきました。
効果として、利用者の満足度が80%向上し、問い合わせ時間は、年間として1,622時間の削減に成功しました。
運用後のヒアリングで社員から気軽に聞けるなどの声もあがり、社員の満足度向上とストレス軽減にも繋がっています。
出典:社内の問合せを一挙に任せ、スピード感のある解決法を社員へ|LIFUL
事例③ベルデータ
インフラストラクチャーインテグレーター事業やシステムインテグレータ事業等を営む「ベルデータ」様の業務効率向上の事例です。
広い質問範囲にくらべ人手が足りず、その都度作業の手を止めて対応するため、非効率なのが課題としてありました。
対策として、FAQの最初の振り分けや回答をチャットボットに任せるように運用を変更。
AIチャットボットを導入し、業務効率向上につながる効果を得ています。
出典:FAQのフロントとして、社員の業務効率向上に貢献|ベルデータ
まとめ:ヘルプデスクにAIチャットボットを導入して業務を効率化しよう!
社内ヘルプデスクでのAIチャットボットのメリットと事例3つを紹介しました。
社内ヘルプデスクのFAQの課題がAIチャットボットによる自動的な対応で解決できることがわかりました。
AIチャットボットを導入すれば、社内ヘルプデスクの効率化につながります。
空いた時間で人はより、価値のある対応ができるようになります。
メリットや事例を参考にしてAIチャットボット導入を検討してみましょう。
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社内ヘルプデスクのAIチャットボット適用のご相談は、お気軽にお問い合わせください。