社内での質問が無駄に増えて対応に時間を割かれている、ということはありませんか?
また、社内マニュアルを作ろうと思っていてもなかなかうまく作成できず、困っていることはありませんか?
このように毎日起こる社内での問い合わせの対応や社内情報の整理には、FAQを作成し、運用することがとても便利です。
社員の業務効率化にも繋がる社内FAQ。
今回は社内FAQについて、その定義から導入のメリット、運用のポイントまで詳しく解説していきます。
社内FAQとは?

FAQは、「Frequently Asked Questions」の略です。
社内FAQとは、社内から寄せられる「よくある質問」を事前に想定し、その解答まで用意して公開することで、各社員の質問を自己的に解決させる仕組みです。
社内FAQは、質問の種類として
- 社内から寄せられる質問
- 外部対応をするための質問
2種類が想定できます。
社内から寄せられる質問は、経費精算や申請の処理など、会社内で定められた規定やその手順に関する質問が挙げられます。
また、「Wi-Fiがうまく繋がらない」「外部環境からネットワークに入れない」などデバイスやネットワークシステムの不具合に関する質問もこれに当たります。
外部対応をするための質問は、コールセンターやヘルプデスクなど、オペレーターの業務において、イレギュラーなケース等の対応に関する質問です。
対応に関する質問とその答えをまとめておくことで、オペレーターの業務がスムーズに進められるようになるでしょう。
このような情報をしっかりと区分して管理し、まとめることで社内FAQの質は高まります。
FAQの作成から運用までしっかりと精査しながら管理することで、より高い業務効率の効果が得られるでしょう。
社内FAQ導入のメリットと効果

社内FAQを導入すると、業務効率が改善されたり、オペレーションの負担が軽減したりするメリットあります。
具体的な効果を見ていきましょう。
問い合わせ件数が削減できる
社員から寄せられる質問が、システムである程度解決されるので、問い合わせの件数自体が削減できます。
社内FAQが整備されていない場合、同じような質問が担当者へ毎日寄せられますが、簡単な質問は自己解決してもらうよう促すことができ、安易な相談を減らせます。
質問する側としても、システムを使うことで人を介すよりも、早くスムーズに疑問を解決できるため、作業ストレスも軽減できます。
対応人員と対応時間を削減できる
問い合わせの件数が減ることで、これまでそれらの質問に対応していた担当者の業務が減少します。
これにより、時間的余裕ができるので、他の業務に手を回せます。
また、大幅に質問が減れば、これまで対応していた人員の数自体も減らすことができるかもしれません。
大切な人的リソースを有効に使うためにも社内FAQの整備は有効です。
土日や夜間の対応が可能になる
システムとして社内FAQを公開しておけば、土日や夜間に関係なく、社員はFAQを確認できるので、わからないことはいつでも自己解決できます。
小売業や飲食業、サービス業など、店舗は曜日や時間に関係なく業務がおこなわれている場合、本社やバックオフィス部門への質問が時間外に寄せられることも。
社内FAQを整備しておけば、ある程度の質問は自己解決を促せます。
対応する側も、休暇中に連絡が来るといった業務時間外の対応が減り、ゆっくり安心して休暇を過ごせるでしょう。
これまでより勤務時間や勤務場所がフレキシブルになっている昨今で、決められた時間に全員が仕事をすること自体が当たり前ではなくなってきました。
社員がいついかなる場所でも作業が滞らないサポートがより重要視されているとも言えます。
社内FAQは、担当者が勤務していない時間や休暇中であっても、業務がしっかりと回るサポートツールとして活用できます。
社内情報が整備される
社内FAQが整備されることによって、「わからないことは一旦社内FAQを見ればいい」という環境が整う効果も。
これまで部署にバラけていた情報を一括管理し、まとめておけます。質問する側もされる側も、「知りたい情報はどこにあるか?」を考える手間が省け、社内の情報が整備されます。
また部署をまたぐような複雑な質問にも対応しやすくなるでしょう。
情報やノウハウが属人的になることを防ぐ
経験豊富なベテラン社員が業務ノウハウをたくさん有している、ということはよくあることでしょう。
こういった状況はのベテラン社員が退職したり、休職した場合、そのノウハウや知識も一緒に手放してしまうことになります。
こういった知識やノウハウの属人化は、サービス力も属人化してしまうことに繋がり、人が変わってしまうとサービスのクオリティも変わってしまうという状況を招きかねません。
社員各自の経験や知識をマニュアル化し社内FAQとして公開することで、ノウハウを広く共有し、属人化を防ぎます。
また、これまで経験してきたケースや各自が得られた知見をまとめておくことで、事例の蓄積にも繋がります。
ちょっとした問題であれば、各自が社内FAQを見て解決できる環境に整えます。
対応マニュアルとしても活用することができ、社員教育の補助としても有用なツールになるでしょう。
これは社員教育としても有効です。
社内FAQシステムの種類

業務の効率化や社員の負担を減らす意味でも有効な社内FAQですが、実際に運用するためにはどんなツールが考えられるでしょうか。
それぞれのシステム・ツールのメリットとデメリットを考慮して選びましょう。
エクセル・スプレッドシート
社内FAQをまとめたエクセルファイルを社内ネットワーク上で共有したり、スプレッドシートとして共有する方法です。
エクセルやスプレッドシートは普段から扱っているツールだけに、費用的にもリソース的にも気軽な気持ちで着手できるのがメリットな反面、誰でも改変できる可能性があることは否めません。
また、ファイルのコピーや管理不足などによって、最新版がどれなのかといった混乱が起こったり、ファイルが紛失・消去されたりする可能性も考えられます。
またエクセルで表現できる範囲は限られているので、ユーザビリティーを高めたくても、見せ方に限界があります。
企業規模が大きくなるほど、共有ファイルでの管理が難しくなってくるため、FAQツールの導入を検討すべきでしょう。
●今あるリソースで始めることができる
●特別な知識がなくても扱うことができるツールなので、誰でも今すぐ着手することができる
●誰でも簡単に改変することができる
●ファイルのコピーなどにより、最新版の管理が難しくなる
●表現の幅に限界がある
FAQ作成ツール
FAQを作るための専用ツールです。
専門的な知識がなくても作成できるツールなので、誰でも簡単にFAQを作成できます。
また情報が誰かによって書き換えられる心配もありません。
解析機能が付いているツールもあるため、どんな質問にアクセスが集中しているのかなど利用状況を分析し、それを使って改善できます。
もちろんこれらのツールを利用するためには費用がかかるので、一つのプロジェクトとしてしっかり取り組む必要があります。
●専門的な知識がなくても簡単にFAQを作成できる
●管理者以外によって情報が書き換えられる恐れがない
●解析機能があれば、利用状況に合わせてFAQを効果的に改善・更新できる
●ツールの導入に費用がかかる
●ツールの機能充実のためにさらに費用がかかる可能性がある
チャットボット
AIロボットによるチャットの受け答えによって、FAQとして運用するシステムです。
ECサイトや予約サイトなどでも、最近よく実装されているチャットボットですが、社内FAQとしての活用もできます。
チャットスタイルで知りたい内容を探すことができるので、ユーザーとしては簡単で分かりやすい点がチャットボット形式のメリットでしょう。
またFAQを作る上でも、簡単に操作できるよう設計されているツールのため、特別な知識がなくても作成できます。
また行動履歴を蓄積するなど解析機能がついているツールもあります。
このような機能が付いていると、よりわかりやすい導線作りに生かせます。
ただしAIロボットは、利用回数の蓄積によって精度を高めていくツールのため、利用頻度が極端に少ないと、なかなか知見が溜まらず、精度が上がらない可能性があります。
●専門知識がなくてもFAQが作成できる
●わかりやすいチャットボットなので、社員が気軽に利用しやすい
●解析機能で、チャットボットの導線を改善することができる
●利用頻度が低いと、AIチャットロボットの精度が上がらない恐れがある
社内FAQ運用のポイント5つ

社内FAQは作ってからの運用の仕方もポイントです。
より効果的に社内FAQを運用するためにも、以下のポイントを意識しましょう。
1.FAQの存在を周知徹底させる
せっかく社内FAQができても、社員たちが存在を知らなければ、効果を発揮できません。
社内FAQが完成したら、社員に周知を徹底しましょう。社内報やイントラネット、掲示など、とにかくあらゆる方法で社内FAQの存在を広め、利用を促しましょう。
「わからないことがあればまず社内FAQで探す」という認識を社員全員に持ってもらうことが重要です。
2.導線を工夫する
ただ告知するだけでなく、利用導線も考えて告知するとより効果的です。
質問が起こりそうなシチュエーションを想定し、そのタイミングですぐにFAQを確認できる環境作りを意識します。
例えば、
●社内申請方法をおこなうシステムの過程にFAQへのリンクを設置しておく
●外回りや出張の際でもすぐ確認できるようにスマートフォンからでもアクセスできるようにする
など、迷いが生じたときにすぐFAQを確認できる導線をあらかじめ作っておくことで、利用率を高められるでしょう。
3.誰でもわかりやすい文章で構成する
社内だとどうしても専門用語を使ってしまいがちですが、実際には新人社員など、まだ会社や業界への知識が足りていない社員が閲覧する可能性も十分にあり得ます。
また国際的な企業であれば、外国人社員が利用することも考えられます。
なるべく誰でもわかる言葉を使うのはもちろん、専門用語には注釈をつけるなど、誰が呼んでも理解しやすい文章を心がけることも重要です。
あまりに長い文章は読んでもらえないだけでなく、理解してもらえない可能性もあります。
そうなると、結局担当者に質問するということになり、状況が改善されません。
文章だけでなく、レイアウトや見栄え、導線も配慮することで、よりわかりやすいFAQとなります。
誰でも利用しやすく使いやすいFAQであってこそ、効果も実感できるもの。
利用してもらいやすいFAQ作りを心がけましょう。
4.検索されやすい単語を使う
探している情報が見つからない場合、検索機能を使うことも想定されます。
その場合を考慮して、検索されやすい単語をリサーチして落とし込むようにしましょう。
なかなか検索されないような単語を使ってしまうと、検索意図に応えられません。
普段から社内でよく使われている単語を選んだり、言い換えの単語があればそれも一緒に盛り込んでおくなど、ユーザーの検索意図に応えられるFAQ作りを意識しましょう。
5.定期的に分析・精査・改善をおこなう
FAQを作って公開したのでOK、ではありません。
より有効に活用してもらうためには、定期的な更新と改善が重要です。
新しい情報や更新された情報があれば、迅速にFAQをアップデートしましょう。
また利用状況を調査し、不便な箇所があれば改善するように努めましょう。
いついかなるときも正しい情報をわかりやすく取得できる信頼があってこそ、社内FAQを存分に活用してもらえます。
一度作って終わりではなく、より良い社内FAQを目指し、常に更新と改善を怠らずにおこないましょう。
まとめ:社内FAQのメリットやポイントを理解して効果的に運用しよう

社内FAQは、業務効率化においてとても有効なツールではありますが、その効果を最大限にするためには、FAQを作る目的をしっかりと理解し、工夫しながら運用していくことが重要です。
会社組織の状況をしっかりと理解し、目的を持ってFAQを作成することで、課題解決に向けて的確にアプローチしていくことができます。
まずは自社の課題や問題をしっかりと整理し、どのツールやどういった運用方法が必要なのかを分析し、企業に合った社内FAQの作成を検討しましょう。
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