エクセルやマクロを使って業務効率化を目指そう!実用例も解説

エクセルやマクロを使って業務効率化を目指そう!実用例も解説

エクセルはどの仕事においても欠かせないツールです。

エクセルというツールと一緒に、「マクロ」や「VBA」という単語を聞いたことがあるという方も多いのでは?

今回は、そんな日々の業務に欠かせないエクセルを使ってどんな業務効率化が目指せるのか、マクロやVBAを使った業務効率化も含めて解説します。

目次

    業務効率化とエクセル

    業務効率化とエクセル

    先述した通り、エクセルは業界や業種・職種を問わず、幅広い仕事で活用されているビジネスツールで、Microsoft Office製品の表計算ソフトです。

    数字やデータの入力・整理などに多く使用されています。

    データ入力や整理は、 手作業では入力ミスなどのヒューマンエラーが発生しやすい作業です。

    このような単純な入力作業や集計作業などはできるだけ自動化して、人の作業負担や作業時間を軽減させることが、業務効率化に繋がります。

    エクセルを使った業務効率化は、スキルが必要なマクロ・VBAを使用したり、外部製品のRPAを活用したりすることによって、大幅に業務負担の軽減が見込めます。

    しかしながら、 マクロ・VBA は一定の専門知識を必要とし、誰でも簡単に作成・管理できるわけではありません。

    マクロ・VBA を扱える人材が限られている環境でも、基本的な機能の関数やMicrosoft Office製品との組み合わせを積極的に活用すれば、業務効率化は十分可能です。

    エクセルを使ったよくある業務

    エクセルを使ったよくある業務

    日常的に使用頻度の高いエクセルですが、よく使う業務の内容としては以下のように分けられます。

    入力・集計業務

    決まったデータを入力し、集計する業務でよく使われます。

    エクセルの基本的な機能の1つとも言え、日報やアンケート集計などで活用できます。

    分析業務

    集めたデータをまとめて、分析できます。

    集計したデータから、比率を出したり傾向をまとめたりする業務でよく使われます。

    その分析結果をグラフで反映することもできるので、マーケティングや営業の仕事でも利用しやすいでしょう。

    フォーマットを使った定型業務

    エクセルを使ってあらかじめ定型のフォーマットを用意しておき、有事の際はそれを改変して書類を作りあげるような業務です。

    報告書や議事録、見積書など、様々な書類作成がスムーズにおこなえます。

    表作成業務

    単純な表作成でもよく使われます。

    座席表や質疑応答表、マニュアルなど、整列された表形式を活かした資料作りに役立ちます。

    エクセルでよくある業務効率化の課題

    エクセルでよくある課題

    様々な業務に活用できるエクセルですが、課題としてはどのようなものがあるのでしょうか。

    エクセルで業務を行う上での課題を理解しておくことで、業務効率化の際には何に注意を払うべきなのか理解できます。

    同時編集や作業ができない

    エクセルは基本的に同じファイルの同時作業ができません。

    集計業務や記録業務などにおいて、多数の人が1つのファイルを編集できないため、どうしても非効率になりがちです。

    先に編集している人の作業の完了を待たなければいけないので、仕事の順番を組み立てにくいときもあります。

    また後回しにした結果、入力自体を忘れてしまう可能性もあり得ます。

    人為的ミスが起こりやすい

    基本的には人が数値を入力したり、関数を作成したりするので、ミスが起こる可能性があります。

    エクセルを使った業務内容としても、入力作業やデータ集計など定型的な作業が多いといえるでしょう。

    そのため、担当者の精神的・肉体的疲労がかかりやすいため、余計にミスが発生しやすい環境でもあるともいえます。

    またシートの内容が煩雑で細かくなればなるほど、そのミスに気づけない可能性も大いに考えられます。

    担当者によってスキルのムラがある

    エクセルは仕事に欠かせないツールでありながら、その使用スキルは人によってまちまちです。

    また多くの場合、その習得具合は本人に任されている部分が多く、エクセルに対する知識量や作業効率やスピードも人によって大きく異なります。

    同じ仕事をしても、人によってかかる時間が異なるという状況は、業務効率化を目指す上では改善を考えるべきかもしれません。

    マクロやVBAの作成・管理が難しい

    マクロやVBAを理解し、操作できる人は多くの場合限られています。

    誰かに作成してもらうツールを大勢で運用することはあっても、何か不具合があった場合に誰でも対処できるわけではありません。

    マクロやVBAの操作や管理が属人的であると、担当者が休職・退職した場合に対処できないことが考えられます。

    またマニュアルが作成されていないことも多いので、他の人が仕組みを知ろうとしても難しいというケースも少なくありません。

    業務効率化をエクセルで実現する例

    業務効率化をエクセルで実現する例

    エクセルを使って業務効率化を目指すなら、具体的にどのような方法があるのか紹介しましょう。

    Microsoft Office 365のツールを使って共同作業を可能にする

    エクセルを含む Microsoft Office 365のアプリケーションは、 「Teams(チームス)」「One Drive(ワンドライブ)」など他のツールとの連携によって、共同作業や場所を問わない作業が可能となります。

    同時編集が可能になれば、入力の順番待ちをすることもなく、入力忘れなども未然に防げるでしょう。

    エクセルの機能を最大限引き出す意味でも、 Microsoft Office 365の有効活用を検討すべきでしょう。

    Microsoft Office 365を使った業務効率化については、「業務効率化にMicrosoft Office 365を活用しよう!便利なツールも解説」の記事もご参照ください。

    エクセル関数で作業を自動化

    エクセルの豊富な関数だけでも業務を自動化できる場合があります。

    同じシート内での計算やブック内のセル参照はもちろんですが、外部参照を使って別ファイルのパスを指定すれば、別のブックの内容でも値を取り出せます。

    例えば「複数の入力ファイルを参照し、一つの集計ファイルを作成する」といった業務が関数でも可能なので、アンケートの集計や日報の作成などに役立ちそうです。

    関数は比較的誰でも操作できるので、管理者が属人的になることも少ないとも言えるでしょう。

    VBAやマクロに比べると難易度も低く、取り組みやすいのもメリットです。

    マクロ・VBAで作業を自動化

    エクセルには「マクロ機能」があります。

    マクロとは、エクセル内の実施された操作を記録して繰り返し、自動化する仕組みです。

    VBAは、マイクロソフトのプログラミング言語「Microsoft Visual Basic」の略で、マクロに指示するためのプログラミング言語のことを言います。

    マクロやVBAを活用すれば、エクセルの機能を拡張したり、作業を自動化させたりするのに役立ちます。

    マクロを使えば、例として以下のような作業を自動化できます。

    • 型の決まったデータを加工する(一括ソートなど)
    • データの一部抜き出し
    • 決まった動作を所とカットキーとして設定
    • Internetにアクセスして情報を自動取得
    • 複数のファイルからデータを集計する
    • データをグラフでまとめる
    • Power Pointと連携させて資料作成
    • Outlookと連携させてメールを自動送信

    などなど、基本的にエクセルでできることは全て自動化が可能です。

    またPower PointやOutlookと連携させることで、より幅広い作業の自動化が可能です。

    特にデータ数が膨大な場合は、マクロを使った自動化で作業負担が大幅に軽減され、スピーディーに処理できます。

    RPAで作業を自動化

    関数やマクロでできない業務の自動化はRPAを活用して実現できます。

    RPAとは、「Robotic Process Automation」の略で、「ロボットによる業務の自動化」を意味します。

    作業を自動化できる点はマクロも同じですが、RPAはエクセルと他のソフトを連携させた自動化が可能です。

    例えば、

    • エクセルのデータをブラウザのフォームに自動入力する
    • 他のソフトに保存された帳簿などのデータを、自動的にエクセルへ転記する
    • エクセルの売上データを自動的に販売管理システムへ転送し、請求書を発行する

    などといった作業が可能となります。

    エクセル内の作業だけでなく、エクセルを含めたデスクトップ上のあらゆるツールを含めた作業を自動化するのであればRPAが最適と言えるでしょう。

    RPAは、マクロ・VBAのように複雑なプログラミングを不要とするツールも多く、誰でも操作しやすいという点もメリットです。

    ただし、RPAツールを導入するための費用や労力が必要です。

    ショートカットキーを活用して作業する

    パソコン作業全般に言えることですが、ショートカットキーを駆使すれば作業効率が格段にアップします。

    エクセルで主に使用できるショートカットキーは以下の通りです。

    マウスをなるべく使わずキーボードだけで作業ができれば、作業スピードが上がり効率的に仕事ができます。

    Ctrl+Cセルをコピー
    Ctrl+Xセルを切り取り
    Ctrl+Vコピーまたは切り取った内容を貼り付け
    Ctrl+Z1つ前の作業を戻す
    Ctrl+Y直前の作業を繰り返す
    Ctrl+Sファイルを上書き保存
    Ctrl+N新しいブックを開く
    Ctrl+Fシート内を検索する
    Ctrl+H置換をおこなう(単語や記号など)
    Shift+矢印キーセルの選択範囲を操作
    Shift+F9シートの再計算
    Shift+F11新しいシートを追加
    Ctrl+Shift+Lフィルターを付ける/外す
    Ctrl+Shift+数式を表示する
    Alt+N「挿入」タブを開く
    Alt+ Shift+→選んだセルの行または列をグループ化する
    Tab1つ右のセルへ移動
    Shift+Tab 1つ左のセルへ移動
    F2選択中のセルを編集状態にする
    F12名前を付けて保存

    まとめ:ビジネスに欠かせないエクセルの機能を理解して業務効率化に最大限生かそう

    まとめ:ビジネスに欠かせないエクセルの機能を理解して業務効率化に最大限生かそう

    エクセルは日常的な業務に欠かせないツールでありながら、まだまだその機能を理解しきれていない人も多いのではとも思われます。

    「業務効率化」というと大きく考えてしまいがちですが、ショートカットキーの運用や関数を活用した自動化は、今すぐにでも実用できる内容です。

    マクロ・VBA・RPAも、管理や費用面の検討が必要ではあるものの、導入できれば業務効率化に大いに役立ちます。

    エクセルに対する知識を深めることで活用アイディアも広がります。

    まずは自社のリソースで自動化できる部分はないか精査した上で、マクロなどの導入も検討してみましょう。