FAQの活用で問い合わせの削減や生産性向上を目指したい企業は、FAQシステムの導入でより効率よく成果を上げることができます。
たくさんあるFAQシステムから選定する際、どのような点を考慮すればよいか悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事ではシステムの選定に必要な比較ポイントを交え、おすすめのFAQシステムを6つ紹介します。
目次
FAQシステムとは?

FAQとは、ユーザーが知りたい情報をQ&Aの形式で提供することで、よく質問される項目を中心にまとめます。
ユーザー自身が疑問を解決できるように、FAQを検索できるようにしたシステムがFAQシステムです。
ユーザーには、顧客・社外向けのカスタマーや、社内に設置された社員向けなどいろいろな形が想定されます。
FAQシステムの主な機能一覧

FAQシステムの解説をします。
搭載される主な機能には以下のものがあります。
検索
欲しいFAQにすぐにたどり着くためには検索は重要です。
検索にはさまざまな方法があります。
以下に検索方法の種類をあげました。
- 自然文検索:キーワードだけでなく、話し言葉のように日常使う言葉で検索可能
- サジェスト検索:入力された単語と関連する回答ページを表示
- タグ検索:回答ページに設定されたタグ。タグに関連するワードが入力された場合に回答ページを表示
- カテゴリ検索:あらかじめ情報を種類ごとに絞って検索可能
検索方法は製品やサービスによって搭載されているものが異なり、複数搭載されている場合もあります。
ただし多くの種類の検索方法が搭載されているからといって、使いやすく高性能であるとは限りません。
FAQシステムの用途に合わせた適切な検索方法ができることが望ましいと言えるでしょう。
コンテンツ作成支援
FAQを活用してもらうためには、多くのFAQが集まらなければなりません。
FAQの作成に時間をかけてしまっては次回以降に面倒と感じ、コンテンツが作成されなくなってしまいます。
直感的な操作で作成可能なエディタの搭載が望ましいでしょう。
クラウド型であれば、スマートフォンやタブレットなど外出先や在宅勤務でも記入が可能です。
場所や時間を選ばずに作成できれば、それだけ集まりやすくなります。
また、すでにFAQをエクセルファイルなどで管理しており、活用したい場合の取り込みに対応するシステムもあります。
分析・管理
FAQは一度作ってサイトに掲載したらそこで完成ではなく、常に更新や削除、フィードバックを取り入れたメンテナンスが必要です。
しかし多くのFAQが集まるようになると、どの記事を修正すれば良いかの判断が難しくなり、効率的に改善できなくなる状況が生じます。
FAQコンテンツを分析し、FAQページのPV数や検索数が確認できれば修正すべき点が分かるでしょう。
FAQシステム導入の際に考えておくこと

FAQシステムの導入にはあらかじめ以下に挙げる項目を考えておきましょう。
FAQシステムの利用場面は?
まず考えておくことは、利用場面や誰に対してのFAQであるかです。
大きく以下の3つに分類できます。
利用場面 | 利用者 |
社外向け | カスタマー、一般ユーザー |
コールセンター(コンタクトセンター)向け | オペレーター |
社内向け | バックオフィス系部署(人事・総務・経理・情報システムなど) |
多くのFAQシステムは、これら3つの利用場面をすべて網羅して構築しています。
ただし限られた利用場面を想定して構築されたシステムもあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
何の目的でFAQシステムを導入したいのか?
FAQの導入には、メリットは大きく3つあります。
- 問い合わせ件数の削減
- 生産性の向上
- 顧客満足度、社員満足度の向上
FAQシステムによるメリットについての詳細は、「社内FAQの作り方とは?問い合わせを減らす5つの方法も紹介」をご参考ください。
問い合わせ件数を削減したい場合
回答を見つけて自己解決してもらうために検索性が重要です。
AI型のようなキーワードから回答を予測可能なシステムや、サジェスト表示で回答に到達できるものを選ぶと良いでしょう。
またユーザーがFAQシステムを使いこなせていない場合も高いので、タグ検索やカテゴリ別に分けるなど複数経路で回答に到達できるシステムもおすすめです。
業務全体の効率化、生産性向上したい場合
FAQシステムは問い合わせを減らすだけでなく、応対にかかる時間や負担も減らせます。
外部機能との連携機能があるものがおすすめです。
オペレーターが使用する場合は、CRM(顧客管理システム)連携機能があると良いでしょう。
顧客情報や過去の対応履歴がすぐに確認できます。
顧客満足度、社員満足度の向上したい場合
オペレーター間や社員間でナレッジ共有やコメント・コミュニティ機能など相互でやりとりがあると応対品質の改善に役立ち、ユーザーの満足度の向上にもつながります。
また、FAQシステムの運用で気づいた点を反映させるコメント機能、修正点を上長の確認を経て公開できる承認フロー機能などもあると満足度の向上が可能です。
FAQシステムの比較ポイント5つ

FAQシステムの選定の際、ポイントとなる比較項目を5つ解説します。
検索機能の充実(機能性)
どのような機能が備えられているのか確認しましょう。
充実した機能を揃えている製品もあれば、必要最低限でありながらシンプルで使いやすい製品も存在します。
操作性のよさ、UI/UXの充実性(操作性)
FAQシステムは管理する側、使うユーザー側、双方が簡単に使いこなせるかが重要なポイントです。
ユーザー側からは、
- 検索しやすいUI(ユーザーインターフェース)
- 検索にかかる時間が短い
- 適切な回答にたどり着けるか
管理する側は、
- HTMLやCSSなど専門知識がなくてもFAQを簡単に登録や管理できるか
- 分析が自動化できるか
が考えられます。
外部連携
外部ツールと連携できれば、より幅広い業務効率の改善を図ることが可能です。
この点は、先述した「何に対してのFAQか?」に関係してきます。
例えば、コールセンター向けであれば、CRM(顧客管理システム)と連携できると、顧客情報や過去の問い合わせをオペレーターが確認できます。
FAQ情報をCRMに反映させれば、次回同じ顧客から問い合わせがあった時役立つでしょう。
導入形態
FAQシステムの導入方法の形態には、パッケージ型(オンプレミス型)とクラウド型に分かれます。
パッケージ型は自社でサーバーを用意し、ソフトウェアをインストールします。
コストは抑えられますが、運用上の専門的な知識が必要です。
一方で、クラウド型はオンライン上のサービスを利用します。
場所を選ばず誰でも簡単に利用可能ですが、運用コストが高くなります。
自社のニーズに合わせて導入形態を決めましょう。
サポート
FAQシステムの不安や悩みは、運用するに連れて増えていくでしょう。
サポート制度が充実していれば、いつトラブルが発生しても対応してくれます。
FAQシステム導入後にユーザー利用履歴の分析によって、よりよく運用できるよう改善案を提案してくれるベンダーサポートもあります。
システムを導入しても成果が思うように出ない場合もあるので、改善案の提案などのサポートは役に立つでしょう。
おすすめのFAQシステム6選
FAQシステムのおすすめを6つ紹介します。
1. Kuzen

「Kuzen」は、株式会社コンシェルジュのノーコードAIチャットボットです。
プログラミングの知識は不要で簡単に構築できます。
ドラッグ&ドロップで簡単に直感操作できる管理画面です。
直感的なUIで、専門知識を必要とせず、簡単にAIチャットボットの作成や管理が可能です。
ユーザーのニーズに合わせた多様なシナリオを、フローチャートで作成できます。
チャットボットに特化した独自開発の自然言語処理エンジンで、表記揺れの対応や個別の単語登録など検索機能が豊富です。
Teams、Slack、LINEなどさまざまなチャットインターフェースやSaaSと連携可能なので拡張性の高さが魅力です。
リアルタイムでシステム間連携が可能で、開発不要でダイナミックな活用がおこなえます。
データ分析機能も豊富で、表やグラフによるレポーティングも簡単操作で実現可能です。
導入前後のサポートも充実しており、チャットボット活用の最適なソリューション提案や、シナリオ作成のサポートなど一貫したフォロー体制があります。
2. OKBIZ. for FAQ

「OKBIZ. for FAQ」は株式会社PRAZNAのFAQシステムです。
10年連続で国内のシェアナンバー1を獲得し、800社以上に導入された実績を持ちます。
サポート体制が非常に充実しており、活用支援セミナーやトレーニングなどを無償でおこなうサービスがあります。
APIによってCRMやチャットボットツールとの連携も可能です。
高性能な検索エンジンにより、最適な回答の提供が可能で、サジェスト検索や閲覧順FAQの表示など豊富な機能が備わっています。
FAQの利用状況はグラフィカルに分析でき、視覚化されるので直感的に利用状況を把握し改善すべき点を見つけやすくなります。
FAQページの作成から課題の発見、改善までを一貫して操作でき閲覧率が高いFAQが作成可能です。
3. アルファスコープ

「アルファスコープ」は、株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供するFAQシステムです。
社外ユーザー、社内、オペレーター向けにそれぞれ利用目的に合わせて活用が可能です。
さまざまな検索方法やレコメンド機能が搭載されているので、ユーザーが目当てのFAQを見つけやすくなり、解決でき問い合わせ削減に効果を発揮します。
共通の検索機能には、カテゴリ検索や添付ファイル検索機能など豊富です。
社外ユーザー向けには、閲覧数や関連性の高い単語を表示させる、質問候補のサジェスト機能があります。
オペレーター向けには、オペレーターごとで表示形式をカスタマイズ可能、FAQの分類方法を変更可能です。
FAQ分析には、ユーザーの不明点、離脱ポイントを可視化する経路分析や検索ワード分析があり、どこを修正すれば良いかわかるでしょう。
4. sAI Search

「sAI Search」は株式会社サイシードのFAQシステムで、AIを活用した高速で高精度の検索を強みとした検索エンジンを搭載しています。
「どんな人が使っても知りたい情報が一瞬で見つかる」というコンセプトで開発されました。
検索時にリアルタイムでの質問文候補の表示、1文字入力するごとに候補が変化、検索途中にタグが出現し絞り込みが可能です。
AIが提示するタグの中から、疑問に思うことと関連するタグを直感的に選択していくと、FAQが絞られ目的の回答にたどり着けます。
用途に合わせて最適化されたデザインと、機能が備えられたパッケージで提供されます。
5. FastAnswer2

「FastAnswer2」は、テクマトリックス株式会社のFAQシステムです。
「作りやすい、見つけやすい、育てやすい」をコンセプトに構築され、コールセンター向けのCRMを長年提供してきた知見やノウハウが活かされたシステムです。
FAQを一元管理し、問い合わせ件数の削減やコールセンター内のナレッジ活用を支援します。
FAQをはじめとして、マニュアルなどの文書、資料やホームページなどあらゆる情報をナレッジとして管理できます。
社内、オペレーター向け、外部向けの複数のサイトを一つのシステム上で一元管理可能です。
直感的に操作可能なUIなので、業務効率や生産性の向上に効果を発揮します。
サイト管理者にとっても支援機能が充実しており、FAQナレッジの鮮度を保つことが可能です。
CRMシステムと連携でき、過去の問い合わせ情報を簡単に管理できるほか、WebAPIによりその他外部システムとの連携も可能です。
6. COTOHA Chat & FAQ

「COTOHA Chat & FAQ」は、 NTTコミュニケーションズ株式会社が提供するAI型チャットボットでFAQシステムとして活用可能です。
自然言語処理技術と機械学習技術を組み合わせた独自の意味検索エンジンにより、ユーザーが入力した質問の意図を汲み取った回答が提示できます。
AIは同社が保有する膨大な学習データですでに学習済みですので、導入当初から高精度の回答が期待できます。
FAQテンプレートも用意してあるので、FAQを持っていない場合でもすぐに利用可能です。
分析機能も多彩で、FAQの改善に効果を発揮します。
問い合わせ数や内訳がわかるログ分析機能や、問い合わせ数を順番に整理するランキング機能、未解決の問い合わせを内容ごとにまとめてグラフ化するクラスタリング機能などがあります。
まとめ:FAQシステムの機能や操作性を比較して、目的に合わせて選定しよう!

本記事ではFAQシステムの用途や機能を説明し、おすすめ製品を6つ紹介しました。
またFAQシステムの選定の際のポイントとなる機能や操作性の比較をおこないました。
自社の課題やFAQユーザーの対象に合わせて機能や操作性などを比較しましょう。
本記事を参考にFAQシステムの導入を検討してみてください。