「FAQシステムを試しに社内向けに導入してみたいけど、なるべくコストは抑えたい」
そんな方には、高機能な高価なFAQシステムよりも、無料で使えるオープンソースからスタートすることをおすすめします。
本記事ではオープンソースのFAQシステムを厳選して5つ紹介します。
目次
FAQシステムとは?
FAQとは(Frequently asked questions)よくある質問と回答をセットにしたものです。
カスタマー向けサイトの「よくある質問」ページに、FAQが掲載されています。
FAQはカスタマー向けだけでなく、企業内で働く社員向けにも活用が可能です。
特に企業の中で活用する際には社内FAQと呼びます。
活用例として、
- 経費精算の申請方法を知りたい
- 有給休暇取得のシステムの使い方を知りたい
- 社内PCのセキュリティアップデートでエラーが出るので対処したい
といった経理部・総務部・情報システム部など、主にバックオフィス系部署に寄せられるよくある質問と回答を集約して、検索や閲覧ができるようにします。
FAQに寄せられる質問を検索しやすく、担当部署への問い合わせを減らすために導入するシステムをFAQシステムと呼びます。
FAQシステムを導入する3つのメリット
FAQシステムを社内向けの導入で得られる企業や従業員のメリットを3つ紹介します。
詳しく見ていきましょう。
バックオフィスの問い合わせが減らせる
問い合わせの多い部署、特にバックオフィス系の部署への問い合わせを削減できます。
なぜなら社内問い合わせの質問は同じような内容のものが多く、担当者は何度も同じ内容の問い合わせを受けるからです。
問い合わせの多い質問にFAQで対応できれば、社員が自分でFAQを確認できるので、担当者へ問い合わせをする必要がなくなります。
ナレッジとして蓄積し、社内の資産にできる
FAQになる問い合わせは多くの人が知りたがっている事項でもあるため、社内の資産としてナレッジの蓄積が可能です。
ナレッジは属人化防止にも効果を発揮します。
ある特定の人しか分からない業務であっても、明文化しておくことで、担当者が不在となってしまってもナレッジの参照で業務を進められます。
社員が自己解決できるようになる
社員が自己解決できるようになれば、社員満足度の向上や、業務効率化に繋がります。
問い合わせたい時にすぐに担当者に連絡がとれるとは限りません。
回答が得られるまでに業務が進まなければ、時間がかかってしまいますし、社員の不満もたまるでしょう。
よくある質問をあらかじめまとめておき、誰でもアクセスできる状態にシステム化しておけば、24時間いつでもすぐに自己解決できます。
待つ時間を減らせれば業務にすぐに取り掛かれるので効率化でき、不満も少なくなるでしょう。
オープンソースのFAQシステムとは
オープンソースとはインターネット上に公開されているソースコードのことです。
オープンソースのソースコードは無償で公開されており、機能を増やしたりバグを修正したりして誰でも自由に改良ができます。
オープンソースソフトウェア(OSS)は、オープンソースで書かれたソフトウェアで、自由に取り扱いが可能です。
OSSには私たちの身近にも数多くあり、LinuxやAndroidなどのOSソフトウェアや、WordPressなどのWebアプリケーションなど欠かせない存在になっています。
OSSでFAQシステムが構築可能なものを、本記事では「オープンソースのFAQシステム」として5つ紹介します。
オープンソースのFAQを使うメリット
オープンソースのFAQのメリットには以下の3つの点が挙げられます。
- 無料で使える
- 柔軟にカスタマイズ可能で、機能を自由に追加できる
- 既存システムと比較的容易に連携可能
オープンソースソフトウェアは、ソースコードがインターネット上に公開されており、誰でも利用可能で原則無償です。
ソースコードの修正は自由にできるので、バグがあったら修正したり柔軟にカスタマイズもできたり、欲しい機能があったら追加したりといったことが可能です。
オープンソースのFAQを使うデメリット
次にオープンソースのFAQシステムのデメリットを3つ挙げました。
- 機能、利用人数に制限がつく
- サポートがなく、困ったら自己責任
- カスタマイズするとかえってコストがかかってしまう場合もある
オープンソースの利用は、原則として自己責任です。
利用したことでたとえ不利益が生じたとしても、開発者に責任を負わせることはできません。
また必要な機能がついていない場合は、自社で開発や修正するか、専門会社に開発を委託しなくてはなりません。
その開発コストがかえって高くついてしまう場合もあるので注意してください。
オープンソースのFAQシステム5選
オープンソースのFAQシステムでおすすめを5つ厳選しましたので紹介します。
選定や導入の参考にしてください。
phpMyFAQ
「phpMyFAQ」は、オープンソースのFAQシステムで、MySQLや PostgreSQLなど無料で利用できるデータベースと連携して動作可能です。
作成できるFAQ、カテゴリー、ユーザー数に制限がなく利用できます。
また物理サーバーだけでなく、Dockerなどクラウド上の仮想サーバーへインストールも可能です。
ユーザーの動向分析もできるので、分析結果をもとにFAQの改善もでき、より良いFAQにアップデートができます。
phpBB
「phpBB」は、世界中で利用されているオープンソースのフォーラム型の電子掲示板で、FAQシステムとしても活用可能です。
カスタマイズや機能追加ができ、拡張性が高い点が特徴です。
テンプレートを変更すれば、好みの外見にすることができます。
多言語対応で日本語の言語パックも用意されています。
Question2Answer
「Question2Answer」は、MySQLデータベースと連携して動作するFAQシステムです。
世界中で多くのサイトに採用されている実績があり、40以上の言語で活用されています。
社内ポータルサイトのデザインに合わせたCSSのテーマを簡単にカスタマイズできるので、見た目を変えることなくFAQの導入が可能です。
4階層までカテゴリーが設定可能であり、タグ付け・投票・コメントなどさまざまな機能も備えています。
Ultimate FAQ
「UlitmateFAQ」は、オープンソースのWeb構築システムWordPressで、FAQシステムが構築できる専用プラグインです。
WordPressの管理画面から検索してインストールするだけで簡単に導入できます。
WordPressで既に構築したWebサイトをFAQに利用したい場合には、簡単な設定で導入できるのでおすすめです。
分類のためのカテゴリーを作成し、カテゴリーごとに質問と回答を登録していきます。
Knowledge
「Knowledge」は、オープンソースのFAQシステムでGitHubにソースコードが公開されています。
欲しい機能を自分で追加可能です。
オンプレミスで導入できるので、外部にサーバーを用意する必要がなく、情報漏えいの心配がありません。
社内利用の際に、既存のユーザー管理と連携も可能で、企業で管理しているアカウントでログイン可能です。
全文検索エンジンによって検索でき、記事の文章はもちろん、記事に添付されたExcelやWordのファイルの中身も検索できます。
公開範囲も柔軟に管理できるので、アクセスできるユーザーを限定したり、全体公開したりと自在に設定可能です。
FAQシステムをスムーズに導入する3つのポイント
FAQシステムは社内へ導入したら完成ではありません。
社内で積極的に活用してもらってこそFAQシステムの価値は上がっていきます。
社内へのスムーズな導入と活用のポイントを3つあげました。
社内の疑問や質問を収集・整理する
社員から疑問や質問を収集し、特に問い合わせが多いものは網羅しましょう。
集めた質問を細かく分けて整理します。
例えば、申請の仕方についてと大きなくくりのまま掲載せず、「申請のタイミングは?」「申請システムの使い方の手順」などのように質問を分割し、求めている回答を見つけやすくすることが重要です。
FAQの作成・設定方法を定めて形式化する
FAQの記事作成のための書き方マニュアルを作成しましょう。
個人個人でバラバラな作り方をしてしまうと、統一されず検索しにくくなります。
また、初めての投稿へのハードルが高くなり、FAQが活発に作成されなくなってしまいます。
FAQの作成方法やシステムの設定方法のマニュアルとともに、
- フォントや文字の色の使い方、
- 表記揺れがないよう言葉を統一する
などのコンテンツ作成のガイドラインも定めて形式化しておきましょう。
検索しやすさ、ユーザーの操作しやすさを確認する
FAQシステムは投稿する人や利用する人が多くなることで活発になり、より洗練された精度の高い情報が集まるようになります。
検索しやすければ、それだけ社員も使ってくれるからです。
FAQは作成したら終わりではなく、更新や見直しをし続ける必要があります。
定期的にアップデートして、最新の情報が掲載されるようにしましょう。
社員がFAQシステムを操作しやすければ、作成や更新が手軽にできるようになり、コンテンツの鮮度も保てます。
まとめ:FAQシステムをオープンソースで構築し、スモールスタートしよう!
本記事ではオープンソースのFAQシステムを紹介しました。
オープンソースは無料で導入できるので、FAQシステムの導入をまずは試してみたい企業におすすめです。
しかし、オープンソースでは制限がつき、アカウント数やコンテンツ数が多くなると管理が難しくなります。
そこで内容が複雑で高度になったらAIチャットボットなどFAQツールの導入をおすすめします。
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