「ナレッジ共有を社内で始めたい」
その際に、いきなり大規模な市販ツールを導入してもいいのか悩みますよね。
手軽にナレッジ共有を始めるなら、OSS(オープンソースソフトウェア)がおすすめです。
OSSであれば、ナレッジ共有の基本的な仕組みは取り入れながら、無料で手軽に利用できるからです。
まずは使いながらナレッジ共有に慣れましょう。
本記事では、OSSのナレッジ共有ツールをまとめて紹介します。
目次
ナレッジ共有にツールを導入するメリット

ナレッジ、ナレッジ共有については「ナレッジ共有とは?企業が抱える問題を解決する4つのSTEP」で説明していますので参考にしてください。
ナレッジ共有を加速させるためには、専用ツールの活用が効果的です。
専用ツールの導入で以下のメリットが得られます。
- 情報共有や、アップデートが速くできる
- 多くのナレッジから目的の欲しいナレッジを見つけやすい
- ナレッジ管理やメンテナンスがしやすい
- ユーザーの利用状況を記録し、分析ができる
- SEO(検索エンジン最適化)が可能となり、他のシステムとの連携も可能
多くのメリットが得られるので、ナレッジ共有を始めるならツール導入を検討してください。
ナレッジ共有のメリットについては、「ナレッジ共有で得られる7つのメリット!成功事例や導入手順もご紹介」も参考にしてください。
ナレッジ共有ツールをOSSで構築

ナレッジ共有ツールを無料で簡単に始めるならOSSを活用しましょう。
まずは、OSSについて詳しく解説します。
OSS(オープンソースソフトウェア)とは?
「OSS」は「オープン・ソース・ソフトウェア」の英語の頭文字をとった略語です。
「オープンソース」はプログラムの中身であるソースコードを無償で公開し、機能を増やしたり不具合を修正したりなど誰でも自由に改良・再配布できるソフトウェアの開発手法です。
そのオープンソースで作られたソフトウェアを「OSS(オープンソースソフトウェア)」と言います。
例えば、LinuxやOpenOfficeなど幅広く活用されているものが数多くあります。
OSSで構築するメリット・デメリット
全世界で広く利用されているOSSですが、利用にはメリット・デメリットがそれぞれあります。
詳しく解説しますので見ていきましょう。
メリット
- コストの大幅な削減、無料での利用や商用利用も可能
- 既存システムとの連携が比較的容易
- 柔軟なカスタマイズが可能で、欲しい機能を自由に追加可能
デメリット
- 機能に制限がある
- カスタマイズするにはかえってコストがかかる
- サポートが受けられない場合もある
導入にはコストがほとんどかからず、無料での利用も可能な点や、既存システムとの連携が柔軟にできる点がメリットです。
しかし、使いやすくカスタマイズするためには、ある程度の知識や時間が必要です。
結局コストが高くついてしまう場合もありますので、まずナレッジ共有をツールを試しに使ってみたい方におすすめします。
その後、制限があることで使いづらかったり、高機能なものを使いたくなったら有料版に移行すると良いでしょう。
ナレッジ共有ツールのOSSの導入にあたり知っておきたい用語
OSSの導入の際によく使われる用語をまとめました。
ナレッジ共有ツール理解のために参考としてください。
用語 | 意味 |
Markdown | 「マークダウン」は、文章の書き方でデジタル文書の活用方法として考案されたものです。 ドキュメント作成の効率を上げて速く文章が書け、どんな人にでもすぐに読めるコンテンツを作れる点が特徴です。 記号を付与するだけで、簡単にHTML形式のファイルが作成できます。 |
WYSIWYG | 「ウィジウィグ」は「What you see is what you get」の略で、コンピューターの画面に表示されているイメージ通りに、印刷したりファイル出力したり可能なことです。 |
Git、Github | Gitはファイルのバージョン管理が可能なツールです。 ファイルの状態を好きな時、更新管理として残せます。 GitHubは、Gitをより使いやすくしたWebサービスで、クラウド上でGitを用いたバージョン管理が可能です。 |
Bootstrap | Webサイトの制作時に便利なフレームワークです。 よく使われるスタイルがあらかじめ定義されているので、ルールに沿って利用すれば見た目も整った美しいデザインのWebページが作成できます。 |
おすすめのナレッジ共有のOSS10選

ナレッジ共有ツールのOSSを10種類紹介します。
Knowledge

「Knowledge」は、自社サーバーにインストール可能なオープンソースの情報共有サービスです。
Github上にソースコードが公開されており、無料での利用ができます。
国内で開発されたOSSで、簡単にセットアップ可能です。
Markdownで記述でき、タグ付けやファイル添付、コメントへの書き込み機能があります。
モバイルにも対応しているので、さまざまな端末での利用ができます。
Crowi

「Crowi」はオンプレミス環境(自分たちで構築)で利用できるOSSのwikiツールです。
完全無料で商用利用も可能です。
シンプルで見やすいデザインで、編集はすべてMarkdownなのでわかりやすく平易な文法で記述できます。
オープンソースなのでカスタマイズの自由度は高い点が特徴です。
Outline

「Outline」は、社内向けナレッジ共有ツールで、Wikiのようにページを手軽に作成が可能です。
編集はWYSIWYGでビジュアル的におこなえます。
文書作成はMarkdownと互換性があり、GoogleドキュメントやSlackなどの外部サービス連携も可能です。
Pukiwiki

「Pukiwiki」は、PHPで作成されたコンテンツ管理システムで、多数のプラグインがあるので機能拡張が容易です。
UIはWikipediaに近いので、なじみのある人には使いやすいでしょう。
編集できるユーザーを限定でき、Webブラウザで作業が可能です。
GROWI

「GROWI」は、情報共有ツールのOSSです。
Crowiを拡張して作られ、よりセキュアにしてあり、アカウント管理手段を強化したためさまざまな認証方式を選べます。
Markdownによる記述が可能で、よりレイアウトにこだわったBootstrapによるHTML記述も可能です。
DokuWiki

「DokuWiki」は、日本での利用者が多いWikiエンジンです。
PHPで作られているためシステム要件は低く、プラグインが多数用意されているので拡張性が高い点が特徴です。
アクセス制御機能や認証への接続機能を内蔵しているため企業環境内での利用に向いています。
waliki

「waliki」は、PythonのWebのフレームワーク「Django」で作られたオープンソースのWikiエンジンです。
Gitをバックエンドに利用し、差分管理・リアルタイムコラボレーション・アクセス権限・プラグイン機能が備わっています。
Markdownで作成可能で、UIはBootStrapベースでページごとの編集権限管理ができます。
MediaWiki

「MediaWiki」は、Wikipediaでも採用されているフリーソフトかつOSSのWikiエンジンで、多言語に対応しています。
MySQLなどのデータベースを利用するため、大規模なデータ管理が可能です。
複数人での記事の投稿や編集ができるので、ナレッジ共有ツールとしても最適で、拡張やカスタマイズも可能です。
Pleasanter

「Pleasanter」は、ローコード開発プラットフォームで、業務に即したWebアプリケーションを作成できます。
あらゆる情報を表形式で共有可能なノンプログラミングウェブデータベースです。
業務データを横断的に検索できるので、集約すれば情報を探し回る手間から開放できます。
組織間での情報共有のアクセス制御をきめ細かくコントロールできる機能や、業務に合わせて管理項目をカスタマイズできる機能もあります。
BookStack

「BookStack」は、チーム管理ができるナレッジ共有システムです。
PHPのフレームワークのLaravelで作られており、MySQLを用いて管理します。
編集はWYSIWYGでおこない、多言語対応、オプションでMarkdownにも対応可能です。
その他無料版のあるナレッジ共有ツール
OSSではありませんが無料で使えるナレッジ共有ツールを紹介します。
Kibela

「Kibela」は、「個人の発信を組織の力にする」をコンセプトとしたナレッジ共有ツールです。
Markdownに対応し、個人の情報発信はグループごとに可能です。
公開・非公開の設定を選べる共有機能や、日報などのテンプレート機能が充実しています。
フリープランは5ユーザー、4グループまで無料で利用可能です。
Scrapbox

「Scrapbox」は、「チームのための新しい共有ノート」というコンセプトで、企画書やマニュアルなどチームに必要な情報を軽快に管理できるツールです。
Scrapbox Business Starterプランなら、100ページまではユーザー数の制限や期限はなく無料での利用が可能です。
GoogleサービスやExcel
無料で使えるクラウドのオフィスツールや、会社で使用するオフィス系ソフトもナレッジ共有に活用できます。
ナレッジ共有に特化して作られていないため、記事の作成方法や共有の仕方などのルールを定める必要があるでしょう。
ローカル環境では、Microsoft Excelなどの表計算ソフトがよく活用されています。
クラウド環境では、GoogleドライブやDropboxなどがよく使われています。
無料OSSで補えない部分がある場合は有料版も視野に

OSSのナレッジ共有ツールを紹介しましたが、デメリットが懸念される場合は有料版の専用ツールの導入も検討しましょう。
多くのナレッジ共有ツールには無料のトライアル期間があるので、有料版の機能を確認するとよいでしょう。
無料版は使用人数や作成ナレッジ数に制限がつく場合があるので、大人数で使いたい場合や、社内全体で使いたい場合には不向きです。
有料版にはAIによる適切なナレッジの検索や、詳細な分析などの高機能なものも数多くあります。
その中でも、ナレッジ共有にはAIチャットボットがおすすめです。
AIチャットボットであれば、蓄積したナレッジを効率的に検索でき、24時間365日どこからでも回答可能だからです。
チャットのやりとりをログとして残せるので、ニーズを詳細に分析できます。
まとめ:ナレッジ共有ツールをOSSで構築し、スモールスタートしてみよう

本記事では、ナレッジ共有のためのOSSを紹介しました。
ナレッジ共有は市販のツールを導入しただけではうまくいきません。
社内での活用の周知や、仕組みを整える必要があるからです。
まずはOSSでスモールスタートして、社内体制を整えながら徐々に対象を大きくしていきましょう。
人数や対応部署が大きくなり、内容も複雑で高度になったらAIチャットボットなどのナレッジ共有ツールの導入をおすすめします。
「株式会社コンシェルジュ」は、ノーコードAIチャットボット「KUZEN」を開発、販売しています。
ナレッジ共有のAIチャットボット適用のご相談は、お気軽にお問い合わせください。