
チャットボットはカスタマーサービスやECサイトによく設置されますが、社内問い合わせ向けに導入、活用する企業が増加しています。
チャットボットを社内問い合わせに活用すると多くのメリットがあるからです。
この記事では、チャットボットを社内向けの活用で得られるメリットを詳しく解説します。
目次
社内問い合わせで発生する3つの課題

まず、社内問い合わせで発生する課題を3つ挙げました。
一つずつ詳しく見ていきましょう。
課題1.社内FAQを利用してもらえない
社内FAQはよくある問い合わせを蓄積してデータベース化し、社員が電話やメールで問い合わせなくても、FAQページで探すことで自分自身で解決できる仕組みです。
社内問い合わせの業務負担の削減のために社内FAQを導入してみたものの、社員になかなか利用してもらえず、結局電話での問い合わせが減らない悩みを抱える担当者は少なくありません。
原因は、情報が多すぎて必要な解決策をすぐに探せず、社内担当者に直接問い合わせたほうが早いため、社内FAQが使われなくなることです。
課題2.問い合わせても回答を得るまでに時間がかかる
問い合わせ対応をする人の数は限られます。
繁忙期やイベント発生時は、同じような問い合わせが各所から集中するため、電話はつながりにくくなってしまいます。
またメールも返信までに時間がかり、すぐ解決できず、質問した側の作業も進められません。
仕事が進められないと作業効率も落ちてしまい、社員のストレスもたまってしまいます。
課題3.応対する人によって回答の質が異なる
応対する人によって問い合わせの内容への理解度は差があります。
問い合わせ内容に詳しい人は完璧に答えられる質問であっても、新人などそれほど詳しい人でなければ間違えたことを伝えてしまうかもしれません。
ちょっとした伝達ミスが、結果的に取引先に迷惑がかかるような大きなミスにつながります。
応対品質の均一化は、会社のミスを減らすためにも重要な要素でしょう。
社内チャットボットを導入する7つのメリット

次に、チャットボットを社内問い合わせに導入すると得られるメリットを7つ挙げていきます。
1つずつ内容を詳しく見ていきましょう。
メリット1.社内ヘルプデスクや問い合わせの多い部署の業務効率化
社内ヘルプデスクや問い合わせの多い部署には、様々な質問が寄せられてきます。
そのほとんどが似たような質問であり、何度も同じ問い合わせの対応に忙殺されているかもしれません。
結果、他の仕事に手が回らなくなり、労働時間の増加につながります。
チャットボットの導入で、よくある質問は人が対応することなくチャットボットが回答してくれるため、業務効率化が実現します。
ヘルプデスクに在籍する社員にとって業務効率化ができますが、問い合わせをする社員にとっても自分で回答をすぐに見つけられれば時間の節約になり双方にメリットがあります。
メリット2.社内ナレッジが蓄積される
社内問い合わせをチャットボットへの集約で、よくある質問は何か、どのような疑問を持っているのか分析ができます。
社内情報を一元化し、整理し、明文化するとナレッジの蓄積が可能です。
一元化できることで、どこのマニュアルが最新のものなのか迷わなくて済みます。
チャットボットの導入で、マニュアルやFAQの一元管理ができ、引き継ぎがスムーズになるメリットがあります。
メリット3.自動で回答できるためテレワークの促進になる
昨今の情勢で、テレワークや在宅勤務が浸透し、場所や時間を選ばない働き方が推奨されています。
会社内からだけでなく、様々な場所からの問い合わせにも対応できることが望ましいです。
チャットボットは、24時間いつでも稼働しています。
そのため、質問する側が気になったときに即座に質問できます。
インターネット環境があれば、質問できるため、テレワークや在宅勤務にも大きく貢献できるでしょう。
メリット4.社員満足度の向上
チャットボットは、社員の満足度を上昇させる手助けになります。
「前にも聞いたはずなのに、申請方法を忘れてしまった」
同じ質問をすることに、ためらった経験はありませんか?
チャットボットはロボット相手のため、気兼ねなく質問でき、何度も聞いたら失礼なのではないかと心配する必要がなくなります。
さらに質問したのにも関わらず、解決できなければ、その間仕事を進めることができず、ストレスの要因になることも。
チャットボットの場合、質問が来たら適切であろう回答をすぐに提示してくれます。
結果、ストレスが減り、社員の満足度向上につなげられるでしょう。
メリット5.回答の質を均一化できる
人間が対応する場合には、回答内容に差異が出てしまいます。
なぜならば、経験値で理解度が変わり、回答の質が変わってしまうからです。
最初にマニュアルについて教えても、新人とベテランでは知識量が違うため、伝える内容に違いが生まれます。
また、マニュアルを熟読していない人が対応すれば、間違った回答をするリスクもあるでしょう。
チャットボットであれば、あらかじめ設定されたプログラムに沿った回答を提示するので、回答の内容にブレが生じることがありません。
メリット6.浮いた時間を別事業に投資できる
業務効率化ができたことにより、社員の空いた余力を他の事業や、重要な事業に注力できます。
さらなるサービスの開発など、事業拡大の大きな手助けになるでしょう。
また、どうしても人が回答しなければならない個別の対応や複雑な内容に時間をかけられます。
丁寧な対応ができれば、社員の満足度向上にもつながるでしょう。
結果的に、浮いた時間を有効活用でき、工数やコストの削減に役立ちます。
メリット7.社員の意見や要望を聞ける
チャットボットで社員からの意見や要望、質問がダイレクトに届き、これらを集めデータベースに蓄積が可能です。
集積したニーズを吸い上げることで、
- 自社システムの改善
- 各部署への必要情報の発信
- 研修制度・人事制度の見直し
など、役立てられます。
また、電話やメールでは聞きづらいことでもチャットボットだと質問するハードルが下がるため、本音の意見が集まる傾向にあります。
チャットボットに集まったビッグデータの分析で、回答の精度を上げたり、サービスの開発につなげたり、有効活用できるでしょう。
チャットボットを社内問い合わせに導入するとメリットの大きい部署・部門は?

チャットボットを社内問い合わせに導入するとより効果が大きい部署や部門は、主にバックオフィスに分類される部署です。
例えば、
- 経理
- 総務
- 人事
- 情報システム
などの部署には導入メリットが大きいと言えます。
また専用のヘルプデスクがあるところでも、大きく貢献できます。
チャットボットが最も力を発揮するのは、社員数が比較的多い企業で、同じような問い合わせを多数受けるケースです。
社員数が多いと同じ質問を抱えた人がそれだけ多く存在するため、均一化した回答が即座にできるツールの効果は大きいでしょう。
社内向けチャットボットを成功につなげるポイント

社内向けチャットボットを成功につなげるためのポイントを紹介します。
導入の際には、以下に挙げるポイントを参考にしながら検討してください。
導入の目的を明確に決めておく
チャットボットをなぜ導入するのかを明確にしておきましょう。
チャットボットの導入がゴールではありません。
導入したからといって、これまでの課題が解決したことにはならないからです。
目的は例を挙げると、
- コスト削減
- 対応時間の短縮
- 担当者の負担削減
- 社員が抱える疑問や課題の把握
などがあります。
導入の目的を達成できたか、効果を見定めるために「KPI」を定めるとよいでしょう。
KPIとは「重要業績評価指標」のことです。
例えば、コスト削減を目的にするならば「返答率」や「起動率」を見て、継続的に分析してみてください。
サポート体制・機能・価格を確認しておく
チャットボットツールには様々なものがあります。
一から作ることは、ハードルが高いので、ツールの導入がおすすめです。
チャットボットの機能面は大まかに「シナリオ型」と「AI型」に分かれます。
シナリオ型は、あらかじめシナリオやルールを設定しておき、そのシナリオの通りに回答するシステムで、一問一答形式のFAQの回答がおすすめです。
AI型は、統計的に正解する可能性が高い回答をアルゴリズムによって算出するシステムで、学習を繰り返していくことで正答率がアップし複雑な会話に向いています。
チャットボットは常にメンテナンスや改善が必要なため、分からないことがあればサポートを利用します。
導入後に安心して運用するためにもサポート体制がしっかりしているものを選択してください。
料金体系は、カスタマイズ性や機能によって、変わってくるため、あらかじめ確認しておきましょう。
企業によって規模や使い方は異なるので、一概にこのツールがよいとは言えませんが、様々な観点での比較をして最適なツールを選びましょう。
データの蓄積・Q&Aの更新体制を確立しておく
チャットボットは、データを蓄積していき、ブラッシュアップして育てることが大切です。
チャットボットは社員の質問から得られるデータの蓄積で、回答精度を高められます。
積極的に利用してもらうためには、社内への周知も欠かせません。
キャラクターを作る、お知らせをするなど知ってもらい、身近に感じてもらえる工夫が大切です。
愛着がわくと、気軽に質問しやすくなるでしょう。
たくさんの質問や意見が集まれば、分析によって回答精度も向上します。
まとめ:チャットボットのメリットを最大限活かして、社内問い合わせに導入しよう!

社内問い合わせにチャットボット導入のメリットを7つ紹介しました。
- 気軽に質問できる
- よくある質問への回答が均一化できる
- いつでも質問できる
などが大きなメリットでした。
メリットの活用で、問い合わせ先のヘルプデスクだけでなく社内全体の業務効率化や働き方改革に貢献します。
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