自治体のAIチャットボットの導入が進んでいます。
なぜなら、自治体の課題に対してAIチャットボットは親和性が高く、
- 窓口対応
- 訪日外国人の対応
- 人手不足
など、喫緊の課題の打ち手として、活用に期待されているからです。
この記事では、AIチャットボットを導入する背景とメリット、実際の自治体の事例を7つ紹介します。
自治体の事例を参考に、自社に取り入れてもメリットがあるか見極めてみましょう。
目次
自治体へのAIチャットボット導入が増えている理由
AIチャットボットとは、チャットボットの機能に人口知能の機能が搭載されたものです。
より会話に使い応答ができるものとして期待されています。
総務省の調査によると、自治体へのAIチャットボットの導入は、AIを導入している自治体において半数は、AIチャットボットを導入しており、普及していることがわかります。
引用:地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査|総務省自治行政局行政経営支援室
AIの実装がこれから、始まると言われている日本の中で、地方自治体はすでに導入を始めています。
それだけ、喫緊の課題があることがわかります。
自治体が抱えている課題について、紹介していきましょう。
窓口対応に柔軟な対応が求められている
自治体での窓口対応は、一般的に時間が決まっており、仕事が終わった後の夕方以降や土日は、受け付けていません。
また、共働き世帯の増加もあり、決まった時間の対応では、行政サービスをうまく活用できなくなっています。
時間問わず、対応できる柔軟性が必要になっています。
訪日外国人の対応の課題
ここ数年で、訪日観光客が増加しています。
人手不足もあり、外国人労働者の受け入れも進んできました。
その場合自治体は、たくさんの外国人に対応する必要がでてきます。
問題は、コミュニケーションであり、外国語で対応しなければならないことです。
1つの言語であれば、対応できる場合がありますが、様々な言語で対応しなければならないときは、担当者だけでは限界があります。
人手不足が顕在化している
超高齢社会なり、働き手が少なくなっている日本では、人手不足が顕在化しています。
しかし人手不足だからといって、窓口対応などの行政サービスの質を下げることは、中々住民の理解が得られにくいでしょう。
行政サービスの質を落とさずに、業務を遂行することが求められています。
自治体がAIチャットボットを使うメリット
AIチャットボットは、育てれば、育てるほど、自然に近い会話ができるようになるチャットボットです。
メリットは
- 24時間365日窓口対応できる
- 多言語対応で外国人に対応できる
- 人件費が削減できる
の3つがあります。
それぞれ、解説していきましょう。
24時間365日窓口対応できる
AIチャットボットが対応をおこないますので、WebやSNS上で24時間365日対応が可能です。
人が対応しませんので、好きなタイミングで質問・回答をもらえます。
難しい申請作業も、文面で分かりやすく解説してくれるメリットもあるでしょう。
住民にとって、利便性が格段に上がります。
多言語対応で外国人に対応できる
AIチャットボットに各言語の対応を用意すれば、多言語対応が可能になります。
多言語に対応できるようにスタッフを育成するのは、かなりの手間がかかります。
AIチャットボットは、英語・中国語・韓国語はもちろんですが、さらに複数言語を対応することができるため、外国人もスムーズな対応できるようになります。
多言語対応することで、外国人観光客も訪れやすくなり、機会損失も防げます。
人件費が削減できる
Aiチャットボットが人に代わって、対応をしますので、窓口対応の作業を減らすことができます。
作業が減った分、別な行政サービスの業務に割り当てることで、さらなるサービスの拡充の検討や作業に対応できます。
自治体で導入するAIチャットボットの種類4つ
自治体へ導入するAIチャットボットは
- 医療
- 防災
- 生活相談
- 観光案内
で使われる傾向にあります。
それぞれのチャットボットを解説していきます。
種類1.医療チャットボット
医療チャットボットとして、急な体調悪化の際に、病院を探せます。
チャットボットは、窓口対応を待たずに確認できることがメリットです。
例えば、土日に診療できる病院を探したり、近くの皮膚科を探したり、担当者に質問するように手軽におこなえます。
緊急性の低い問い合わせはチャットボット、高い問い合わせは、人が対応するよう使い分けることも可能です。
待たずに対応できることは、行政サービスの質向上につながります。
種類2.防災チャットボット
災害の際は、素早い連絡の通知が必要です。
避難場所はどこにあるか、どこで地震・氾濫がおきているかなど、リアルタイムな情報が必要です。
AIチャットボットを導入していれば、リアルタイムな通知と避難場所などのやり取りなど、スムーズにおこなえます。
住民を安心させるためにも、災害チャットボットの導入は求められています。
種類3.生活相談チャットボット
生活における疑問など、よくある問い合わせに使われています。
例えば、ゴミ出しの分別は、HPで確認できることが知られています。
しかし、自分で探すのが面倒とすぐに判断して担当者に問い合わせをしてしまうケースも。
生活相談チャットボットを導入しておけば、手軽に質問できるため、窓口への問い合わせも減ります。
ゴミ出し以外の人に聞きにくい質問など、チャットボットで代用することで、気軽に質問しやすい環境が作れます。
種類4.観光案内チャットボット
知らない土地に行った際に、観光名所を自治体のWebページから情報を得ることは、しばしばあります。
自治体からのWebページ発信は、一方的な伝達になりがちです。
AIチャットボットを使うことで、要望などをヒアリングして、最適な観光地を提案できるでしょう。
AIチャットボットの注意点
AIチャットボットにはメリットが多くありますが、注意点もあります。
- 初期コストとランニングコストがかかる
- FAQデータは他の自治体からもらう
- 試験運用をしてから市民に公開する
の3つの注意点を説明します。
初期コストとランニングコストがかかる
AIチャットボットは、有償のツールのため、導入に費用がかかかります。
また、導入してからもデータの調整が必要です。
活用が始まるとデータを集めることでさらにブラッシュアップをおこなっていきます。
導入から運用継続している間はコストがかかる傾向にあります。
予算と人件費を考えた上で、導入を検討しましょう。
FAQデータは他の自治体からもらう
AIチャットボットは、データが重要になります。
蓄積したデータから、回答を導き出すからです。
AIチャットボットを始めるときは、既に始めている自治体から、よくある問い合わせのデータをもらえるよう依頼したほうがいいでしょう。
他の自治体から、データを貰ったら、必ず定期的にメンテナンスをしてください。
基本データは同じでも、住民に合うように調整する必要はあります。
事前に、体制を整えておくことがおすすめです。
試験運用してから市民に公開する
AIチャットボットが住民に受け入れられるか、調査が必要です。
すぐに運用をはじめるのではなく、職員で試験を運用しましょう。
完成後すぐに運用してしまうと、誤作動が多くなり、住民の不満が増幅してしまいます。
まずは、試験運用をして、アンケート結果から評価を確認し、改善後市民に公開して運用をはじめるのが得策です。
AIチャットボットの自治体導入事例7選
AIチャットボットを導入している自治体の例は、以下の7つです。
- 【北海道くしろ地域】観光案内AIチャットボット
- 【東京都目黒区】問い合わせ対応AIチャットボット
- 【福島県会津若松市】問い合わせAIチャットサービス
- 【東京都港区】多言語AIチャットサービス
- 【埼玉県】AI救急相談
- 【栃木県宇都宮市】子育て関連AIチャットボット
- 【北海道函館市】旅行関連AIチャットボット
それぞれ、紹介します。
【北海道釧路市】観光案内AIチャットボット
くしろ地域では「観光案内AIチャットボット」を導入しています。
これまで観光情報は、HPや観光案内所で発信していましたが、知りたい情報がすぐ見つからないなどの問題がありました。
AIチャットボットを導入することで、質問者の質問にすぐに答えられ、案内所の混雑緩和と担当者の業務負担を削減する効果が期待されています。
くしろ地域のAIチャットボットに関しておこなわれたトークセッションについては「EYが挑む地域観光のDX、AIチャットボットを利用して日本の観光戦略のロールモデルを創る!」を御覧ください。
【東京都目黒区】行政サービス相談AIチャットボット
東京都目黒区でも、行政サービス相談AIチャットボット「めぐぴー」が試験的に導入されています。
HPでの情報発信はおこなっていましたが、利便性を向上させるために導入しました。
知りたいことが曖昧だったとしても、AIチャットボットとの対話で必要な情報にたどり着けるメリットがあります。
さらにめぐぴーと雑談できる「めぐぴーの部屋」を作ることで、市民に親しみを持って使ってもらえるよう工夫しています。
【福島県会津若松市】問い合わせAIチャットサービス
会津若松市は、問い合わせのAIチャットサービス「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」をはじめています。
登録・利用は無料です。
SNSの「LINE」を使用して、休日・夜間の医療機関、除雪車走行状況、ゴミ出しの疑問など問い合わせができるサービスです。
【東京都港区】多言語AIチャットサービス
東京都港区 は、外国人向けに「多言語AIチャット」による情報発信を行っています。
約130カ国、約2万人の外国籍の方が東京都港区に住んでいます。
外国人も、協働しながら安全・安心な生活を営めるよう、AIチャットボットが導入されました。
AIチャットボットで、生活する上で生じる疑問や行政情報の問合せに、自動回答するサービスをおこなっています。
【埼玉県】AI救急相談
埼玉県では、県民の安全・安心と救急医療の最適化を目指し「埼玉県AI救急相談」のサービスを進めています。
さらなる利便性向上と、相談件数急増の背景があり、AI救急相談を開始。
急な病気やけがの際に対処方法や医療機関への受信を、チャット形式で気軽に相談ができます。
【栃木県宇都宮市】子育て関連AIチャットボット
栃木県宇都宮は、LINEで24時間回答「教えてミヤリー」というサービスをはじめています。
夜間や休日など24時間365日いつでも、どこでも気軽に、SNSの 「LINE」 から子育てに関する問い合わせができるサービスです。
妊娠、出産、就学など、子ども子育てに関する幅広い質問に、AI(人工知能)を活用し、ミヤリーが回答するシステムです。
周りの人に聞きにくい内容でも、チャットボットが対応してくれるため、質問のハードルが下がります。
【北海道函館市】旅行関連AIチャットボット
北海道函館市は、公式観光情報サイト「はこぶら」外国語ページで人工知能(AI)が回答するチャットボットを設置しています。
例えば、イカを食べたい旅行者が「Where can I eat squid?」と打ち込むと、函館の飲食店を紹介する英語サイトに誘導します。
アジア圏からの旅行者を受け入れており、お問い合わせ件数が増加しており、対応工数に課題がありました。
チャットボットを導入することで、お問合せ対応の人員を最小限に削減することを目指しています。
まとめ:自治体の事例を参考にして、AIチャットボットを導入しよう
自治体のAIチャットボットの導入背景とメリットを紹介しました。
窓口対応やFAQ対応が多い、自治体ではAIチャットボットとの親和性が高いことがわかりました。
自治体の事例やメリットを参考に、導入検討をしてみましょう。
当社では、高機能型ノーコードAIチャットボット「KUZEN」を提供しています。
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