社内FAQの作り方とは?問い合わせを減らす5つの方法も紹介

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    勤務先で会社の制度や手続きの方法などについて分からない問題が出たら、その都度担当部署に電話やメールで質問して確認しますよね。

    しかし「問い合わせをしても担当者につながらない。

    他の重要なタスクがあるのに、問い合わせ対応に時間を多く取られてしまう。

    など、社内で上記のような不満が出ていては、生産性を上げられません。

    実は、よくある質問と回答をセットにして検索できる社内FAQの仕組みの導入で、不満を解決できます。

    この記事では社内FAQの作り方や、問い合わせを減らす方法を紹介していきます。

    社内FAQとは?

    FAQとは「Frequently Asked Questions」の略称のことで、よくある質問と回答をまとめたものです。

    企業サービスのカスタマー向けサイトやECサイトなどに設置されることの多いFAQですが、社内向けの問い合わせ対応にも活用できます。

    社内FAQの導入で、社内各所から担当部署に寄せられる「よくある質問」を、問い合わせなくても自己解決できます。

    従業員の多い企業では、

    • 経理
    • 人事
    • 情報システム部門

    などに同じような質問が何度も何度も寄せられると、時間をとられ本来の業務が進まないことになるでしょう。

    例えば、「有給休暇をとりたい場合の申請方法を知りたい」「社内の無線LANに接続できない」などの多く寄せられる質問に対して回答がまとめられていれば、そのページを参照することで解決できます。

    社内FAQの導入メリット

    次に、社内FAQの導入によるメリットを見ていきましょう。

    問い合わせを削減できる

    社内FAQの導入によって、担当部署への電話やメールによる問い合わせを減らすことができます。

    簡単な質問でも頻繁であればその都度質疑応答に時間をとられ、本来取り組むべき業務に支障が出てしまうでしょう。

    よくある質問をあらかじめまとめておき、すぐに見られるようにしておくことで、従業員が自分で検索して解決できるので、問い合わせをしなくて済みます。

    社内FAQで回答が見つかれば、電話やメールなどの問い合わせを削減できます。

    社内ノウハウ・ナレッジを蓄積できる

    社内FAQのコンテンツを作っていくことで共有すべき情報をノウハウやナレッジとして蓄積できます。

    従業員のナレッジの共有手段としての活用ができ、業務の属人化を防ぐことにもつながります。

    属人化とは、特定の業務をいつも同じ社員が対応することで、その人が休職・退職すると仕事が回らなくなることです。

    例えば、以下のようなナレッジを貯められます。

    • あらゆる申請システム上での手続き方法
    • 業務を効率的に進めるための情報の共有
    • 新入社員や部署を異動してきた従業員に対しての教育

    社内FAQの導入でどのように対応すればいいか文章化されているため、誰でも対応することが可能です。

    社内情報へのアクセスがしやすくなる

    社内情報へアクセスがしやすくなることも社内FAQのメリットです。

    社内でよくされる質問の回答リストを作成しておくことで、何か困ったら社内FAQを見れば解決できる環境を整えられます。

    また、担当者が不在、休日夜間等であっても、いつでも社内情報へアクセスができます。

    困ったことが発生したときにFAQを見てすぐに解決できれば、業務はスムーズに進むでしょう。

    社内FAQで問い合わせを減らす5つの方法

    続いて、社内FAQを導入し整備することで、問い合わせを減らす5つの方法について解説します。

    1. 社内FAQへ導線を作る

    社内問い合わせを減らすためには、社内FAQの利用の促進が欠かせません。

    多くのユーザーに活用してもらうために、目に触れやすい場所に設置するなどの作り方の工夫や、案内や周知などで使ってもらうための呼びかけが必要になります。

    例えば、

    • 従業員専用の社内ポータルサイトのトップページに設置する
    • 問い合わせ先の近くに「まずは社内FAQをご覧ください」とリンクを貼って案内する
    • 問い合わせを口頭で受けたときに「次回はこちらの社内FAQも見てみてください」と一言付け加える

    などができるでしょう。

    導線をあらかじめ作って活用してもらうことがポイントです。

    2.社内FAQの検索性を改善する

    質問と回答が結びついた検索の仕組みづくりが欠かせません。

    なぜなら、検索されてこそ社内FAQは意義があり、検索しづらいと使われなくなってしまうからです。

    検索性の改善例は以下のものが挙げられます。

    • よく検索されるキーワードを盛り込む
    • FAQシステムにカテゴライズ機能やタグ付け機能があったら積極的に活用する
    • よくお問い合わせを受ける質問をリストアップして集中的にヒットさせる
    • 検索性やコンテンツ内容の見直しなどのチューニングを随時おこなっていく

    困っている問題にすぐに回答が提示されることが、問い合わせを減らすポイントになります。

    3.社内FAQの回答コンテンツをわかりやすく作成する

    回答コンテンツの作り方によって問い合わせの数を減らせるかは変わります。

    解決したい質問の回答のFAQページにたどりついても、回答がわかりにくく、不十分で説明されてないこともあります。

    読みやすい文章と、必要であれば分かりやすい画像で構成された、回答を作成することは活用を促す上で重要です。

    簡潔に記載し、難解な専門用語はなるべく避けるか注釈で補足します。

    最初からすべてのFAQコンテンツを完璧に作り上げようとすると、時間も手間もかかってしまうため、可能な範囲で作成し、運用をスタートさせて、徐々に改善していきましょう。

    スモールスタートで少しずつコンテンツをためていくイメージで、わかりやすい回答にすることを心がけながら作成しましょう。

    4.定期的に最新の情報にアップデートする仕組みを作る

    社内FAQは一度完成したらそこで終わりではありません。

    定期的にアップデートをして、最新の情報が掲載されるようにしましょう。

    時代に合わせて社内制度や業務内容が変わっているのに、コンテンツ内容は更新されず古い情報のままであったら使えません。

    問い合わせをした従業員に、間違った情報を与えてしまう可能性もあります。

    定期的に週1回はコンテンツを見直す日を設定するなどの仕組みづくりがあるとよいでしょう。

    随時最新の情報へのアップデートが必要です。

    5.メンバーが更新しやすくする

    作成時にも言えることですが、更新時のシステムの使いやすさも重要です。

    手軽に更新できれば、それだけコンテンツの鮮度は保てるからです。

    先程述べたように情報が古い状態で更新されていないままだと使えません。

    しかし、更新する作業は手間がかかるものです。

    誰でも更新しやすい状態にしておくと、業務量が分散され常に情報も新しくなります。

    社内FAQに用いられる3つのツール

    次に、社内FAQに用いられる代表的な3つのツールを解説します。

    どれを選ぶかは予算や企業規模に合わせて決めるとよいでしょう。

    エクセル・スプレッドシート

    まず、一番手軽に導入できるのはエクセル・スプレッドシートなどの表計算ソフトです。

    オフィスツールとしてほとんどの企業で導入されているため、特別なツールを用意しなくても、手軽に作れます

    従業員数が少なく、問い合わせも多くなければ、まずはエクセル形式で運用を始めてみましょう。

    作り方は各セルに質問と回答を入力していくだけで完成します。

    FAQ作成ツール

    従業員数が比較的多ければ、専用のFAQ作成ツールの導入も考えられます。

    効果的に運用でき、FAQを簡単に作成したり編集したりできる機能や、利用状況を簡単に分析する機能を搭載したツールが提供されています。

    多くのFAQシステムは社外向けの顧客対応に作られていますが、社内向けにも利用可能です。

    チャットボット

    チャットボットは、ロボットがチャットする自動会話プログラムのことで、検索性を高められます。

    従業員がチャットに直接質問を入力したり選択したりすることで、会話形式で問題解決が可能です。

    人間に問い合わせをする感覚で社内FAQの回答を探せます。

    簡単に情報を探せるので、質問をする側の負担も減らせます。

    社内FAQの作り方4ステップ

    それでは、社内FAQの作り方をステップを追って紹介します。

    1.解決したい問題や質問の収集

    まずは、解決したい問題や質問を収集します。

    従業員からよく質問を受ける部署の担当者に、多く寄せられる質問を収集しましょう。

    普段質問を受けている担当者の記憶や情報を頼りにヒアリングして、よくある質問をリストアップします。

    メールやチャットなどの質問のやりとりデータが残っている場合はぜひ活用してください。

    情報が集まらない場合は、よく質問を受けるテーマ(例えば、業務システムの使い方。業務システムの重要な操作など)を対象に進めていきます。

    また従業員の側からも困っている点や、知りたいことのヒアリングも必要です。

    あまり初めから多くを集め過ぎずに、少しずつ集めていくことがポイントです。

    あとから追加・更新して社内FAQを育てていくような感覚で作り上げていきましょう。

    2.回答の作成

    次に、リストアップした問題や質問に対して回答を作成します。

    回答の作り方のポイントは、最初から完璧を目指さず、既存のものを活用することです。

    例えば、業務マニュアルがあれば、その内容を記載するのもよいでしょう。

    ただし、回答は必要な内容までを省略しないよう作成することが重要です。

    担当者にとっては当たり前のことでも初めて質問する人にとってはわからないことはあるため、誰でもわかるように記載しましょう。

    回答が複数存在したり、人によって回答が違う場合には、できるだけサンプル数を増やし、支持の多い回答を優先して掲載しましょう。

    参考資料や情報源のURLを回答と一緒に掲載しておくことも問題の解決に役立ちます。

    3.FAQのチェック

    質問と回答のセットが用意できたら必ずチェックをしましょう。

    内容に間違った情報やわかりにくい表現がないか第三者にレビューしてもらうと、客観的な意見が聞けます。

    特にチェックにおいて注意すべき点は、専門用語や社内用語の扱いです。

    全員が理解している用語以外は、なるべく控えるか補足説明を加えましょう

    記載する用語や呼称についてもレギュレーションを決めて表記を統一すると、読みやすいFAQコンテンツになります。

    4.定期的に分析し、更新や見直し

    一度作ったらそこで終わりではありません。

    定期的な見直しをしましょう。

    入っている情報が古くて使えない、間違っている情報をそのまま流してしまったとなると、作ったFAQを活用してもらえなくなります。

    実際に使う従業員からのフィードバックにも対応し、間違っている情報や古い情報になっていると指摘があったら、修正してください。

    FAQツールに分析機能がついていたら活用しましょう。

    よく質問される項目やFAQにコンテンツがあるのに質問がなかなか減らないのであれば、内容がわかりにくかったり間違っていたりする場合があります。

    定期的に優先度を決めながら、随時更新や見直しをしてください。

    まとめ:社内FAQは作り方に沿ってスモールスタートで

    社内FAQは作り方に沿いながら、まずはスモールスタートで運用していきましょう。

    完璧にすべての質問をコンテンツにして掲載しようとせずに、問い合わせの多いものを優先して、できる範囲から始めていきましょう。

    随時コンテンツを増やし、アップデートすることが望ましいです。

    そして、社内FAQの利用を従業員に浸透させ、促進させることも重要です。

    社内FAQを実際に使ってもらうことが問い合わせを減らすことになりますし、こんなFAQも欲しいといった要望も活発に従業員から出てきます。

    作り方を工夫することで、問い合わせを減らすことができ、担当者が質問対応だけに忙殺されることなく他の業務に集中できます。

    このように質問する側も質問を受ける側もどちらにもメリットが大きい社内FAQを導入してみてください。

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    社内FAQの運用を検討している方は、「お問い合わせ」からご相談ください。