今、AIチャットボットに注目が集まっていますが、その理由はどこにあるのでしょうか。
コロナ禍によって以前から叫ばれていた働き方改革はより一層進むことが望まれています。
そのような新しい日常の実現に期待される存在であるAIチャットボットの基本や導入することで得られる業務改善を解説します。
活用が想定されるシーンや、実際の活用事例も併せて紹介しましょう。
AIチャットボットの活用で業務改善
AIチャットボットを活用することで得られる業務改善にはどのようなものがあるのでしょうか。
チャットボットのそもそもの意味や、チャットボットの違いを解説します。
またチャットボットを導入することで得られる、無人対応や問い合わせの敷居を低くする効果、コストの削減、顧客や社員に満足度の向上などの観点も紹介します。
そもそもチャットボットとは
チャットボットとは短い文章でリアルタイムに会話をする「Chat(チャット)」と、ロボット意味する「Bot(ボット)」を組み合わせた言葉です。
「チャットのシステムで人から問いかけに自動で答えを返すプログラム」の総称です。
多くのプログラムがWebブラウザ上で動作し、見た目はメッセージアプリと同様に設計されているため、使いづらさを感じるようなことはありません。
AI搭載型とそうでないチャットの違い
通常チャットはLINEのように人間同士が会話しますが、チャットボットは人の問いかけに対して「こう言われたらこう返す」ような設定を予めしておくことで会話が成り立つように作られています。
このことからチャットボットは「人間とAIが会話するプログラム」だと認識されていますが、これは誤解です。
チャットボットは大きく2種類あり、
- シナリオ型(フロー型)
- AIを搭載している一問一答型(AI型)
に大別されます。
シナリオ型は人が予め用意しておいたシナリオに基づいて会話を進めるタイプ。
質問に対する答えを事前に用意しておくことでユーザーの質問の意図に応じて答えを分岐させます。
前もって流れとなるルールを決めておくことからルールベース型とも呼ばれています。
一方、一問一答型(AI型)はユーザーからの1つの質問に対して、AIが1つを答える、まさに一問一答です。
AIを活用することで人が話している自然言語の意図を解釈して質問に答えます。
詳しくは「チャットボットとはなにか?」で紹介していますのご覧ください。
チャットボット導入の業務改善されるポイント
実際にチャットボットを導入することで得られる業務改善効果には、大きく4つの観点があります。
それぞれ見てみましょう。
24時間対応できる
24時間365日、システムが稼働している限りいつでも顧客からの対応に応答できることがチャットボットの導入によって得られるメリットです。
顧客が疑問を感じた際に電話で問い合わせできない時間であっても対応できるため、顧客の満足度向上に寄与します。
さらに一時応答をチャットボットが受け持つことで、電話等の直接の問い合わせ応答の削減もつながります。
気軽な問い合わせスタイル
従来の問い合わせの方法は大きく、
- 電話
- メール
- お問い合わせフォーム
の3つが一般的です。
ユーザーが「問い合わせをしたい」と感じてから、問い合わせするまでに手間がかかり、使い勝手も(システムによりますが)あまり良いものではありませんでした。
チャットボットであれば、日頃使い慣れたメッセージアプリと同様のインタフェースに問い合わせしたい内容をまさに聞くように入力するだけなので、気軽な問い合わせを実現します。
従来の方法に比べて手軽に問い合わせできるため、ユーザーのネガティブなマインドを払拭する一助になるでしょう。
コスト削減
チャットボットは問い合わせの返答を自動的に返すことから業務効率化が促進されます。
繁忙期の問い合わせは似たような質問に悩まされます。
どんなに効率的に対応しても人が対応できる量は決まっているので、問い合わせをこなすためには人員を増やさないといけません。
しかし、チャットボットを導入すれば、一次的問い合わせをチャットボットが受けることで電話等の問い合わせを減少させることが可能。
結果として対応する人件費の削減を実現します。
顧客や社員の満足度向上
お問い合わせはユーザー心理としてはポジティブなものばかりではありません。
何らかの不安であったり、疑問であったり、気持ちとしてそもそもが前向きではないからこそ、その気持ちの障壁を取り払う必要があります。
問い合わせをするときに、
- 電話がつながらない
- わざわざメールを送る
などの行為は、ユーザーの心理的負担を増大させます。
チャットボットの手軽に問い合わせであれば心理的負担を軽減できるため、満足度の向上にもつながります。
また、顧客だけでなく問い合わせを受ける社員も、一次問い合わせをチャットボットが受けてくれることで、引き継いだとしても、やり取りの記録を見ながら正確な対応が可能です。
自ずと、社員の満足度も向上するでしょう。
AIチャットボットの活用シーン
AIチャットボットの活用シーンにはどのようなものがあるのでしょうか。
- BtoCのECサイト
- BtoBの問い合わせ対応
- FAQ(Frequently Asked Questions)との連携
- LINEとの連携
- ユーザー志向調査
など様々な活用シーンがあります。
BtoCの問い合わせ
ECサイトの問い合わせはおもに電話、メール、お問い合わせフォームが主流です。
しかし、電話はつながりにくい、メールやお問い合わせフォームでは「今」解決できない、などの問題を抱えています。
この課題はチャットボットの導入よって解消することが可能です。
お問い合わせの多くはFAQに記載される内容のものも少なくありませんので、お問い合わせの一次受けとしても利用できます。
BtoBの問い合わせ
取引先の企業からの問い合わせの対応にもチャットボットは活用できます。
商品を販売する卸業などでは、商品の使い方や故障等のトラブル、修理方法などにコールセンターを用意して対応します。
この問い合わせの一次受けにチャットボットを導入することで、オペレーターが直接受ける問い合わせの削減ができるでしょう。
社内FAQフロント業務&社内マニュアル
社内にFAQを導入している企業も多いですが、FAQ自体の作り方や問い合わせ内容によっては、上手く稼働しないことも少なくありません。
AIチャットボットをFAQのフロント業務対応や、社内マニュアルの構築サポートに用いることで、社内からの直接の問い合わせ対応による担当部署の業務負荷を低減できます。
LINEと連携
ユーザーが日常的に使用するコミュニケーションツールの代表といえば「LINE」でしょう。
このLINEにAIチャットを組み合わせることでユーザー側はわざわざ別のアプリを起動することなく、手軽にチャットボットの恩恵を受けられます。
見た目もLINEとチャットボットは相性が良いため違和感なく導入できることもポイントです。
Webサイトのユーザー志向調査
ユーザーの動向や市場調査にはアンケート調査は欠かせませんが、会員登録の負担や、仮に会員登録ができていても、ニッチなユーザー層のデータしか取れない場合があります。
チャットボットを導入することで、チャットボットのユーザーに負担をかけない見た目によって、ライトにアンケートを取得できます。
AIチャットボットの活用事例
AIチャットボットを導入するに至った経緯と、導入することで得られた業務改善が得られた活用事例を紹介しましょう。
ECサイト、顧客対応、FAQ、ユーザーアンケートの事例から、AIチャットボットの活用がどのような変化をもたらしたのかを見ていきます。
販売サポートツール:サニーヘルス株式会社
ECサイトの商材によってはセンシティブな情報を扱うものもあるため、1対1の問い合わせ対応が必要な場合があります。
ダイエット商材を販売する「サニーヘルス株式会社」ではチャットボットを導入することで、ユーザーの質問や悩み、疑問を一問一答で対応。
ユーザーが納得して購入するシステムを構築しました。
新規のユーザーの「ダイエットをしたいけど困っている」というリアルな声を拾うことにもつながったそうです。
詳しくは「Webで購入を考える女性のお客様に向けた、販売サポートツール|サニーヘルス様」を御覧ください。
顧客からの問い合わせ対応:京セラインダストリアルツールズ株式会社
電動工具の製造販売をおこなう「京セラインダストリアルツールズ株式会社」では、数百種類におよぶ電動工具を取り扱っています。
チャットボット導入前では、ユーザーから電動後部の修理方法や工具が破損した場合の対応の問い合わせをコールセンターで受けていました。
結果、営業時間外は対応できない、電話がつながらないなどの課題を抱えていました。
チャットボットを導入することで問い合わせが約2割削減でき、オペレーターの負担を改善することに成功しました。
詳しくは「数十万件の電動工具製品データベースとの連携により顧客対応を大幅に改善|京セラインダストリアルツールズ様」を御覧ください。
社内FAQで業務効率化:カルビー株式会社
社内向けにFAQを公開していても、うまく問題解決の項目までたどり着けないなどの問題を抱えていた「カルビー株式会社」。
チャットボットの導入によって「人に聞く」という行動を「AIチャットボットに聞く」という流れへと変えることで問い合わせの削減に成功しました。
FAQの項目は日々の更新が必要でPDCAをいかに回せるかがキモ。
管理画面が使いやすいことがキーポイントとなるようです。
詳しくは「社内のよくある質問を人からAIチャットボットで対応時間を削減|カルビー様」を御覧ください。
手軽なユーザーアンケートを実現:株式会社Matto
Webメディアの運営をおこなう「株式会社Matto」では、同社が運営する「モーターファン」でユーザーの志向を調査をおこないたいと考えていました。
モーターファンの会員登録のユーザー層は軽自動車が少なく、輸入車よりも国産車が多い傾向で、軽自動車をターゲットとする調査ができません。
そこで、チャットボットを使い会員ではないユーザーにライトなアンケートを実施。
結果、10日間で約4,000件の回答を集めることに成功しました。
詳しくは「チャットボットで得たデータを営業に活かす|Matto様」を御覧ください。
AIチャットボットを活用することで高まる業務改善
チャットボット、特にAIチャットボットは現在注目を集めています。
新しい日常が浸透していくなか、様々な現場で人員の不足が起こり、フレキシブルな行動も求められていることから従来のようなお問い合わせ対応の体制の維持は難しくなってきました。
この記事で紹介したAIチャットボット導入によって得られる業務改善の事例はほんの一部。
当社では、AIチャットボット「KUZEN」を提供しています。
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