社内に向けてよくある質問や問い合わせをまとめたFAQを用意しているのに直接の問い合わせが減らない……。
もしかするとそのFAQはエクセルで作っていませんか?
電話やメールで直接問い合わせが多くて業務が滞って困っているのであれば、FAQの専用ソフトやシステムを検討してみましょう。
エクセルにはない満足度の向上や、業務負担の軽減をおこなえます。
この記事では、フリーFAQのメリット・デメリットやおすすめソフト7選をご紹介します。
目次
フリーのFAQソフトで社内の課題を解決できる?

フリーのFAQソフトを社内で活用するためにあらかじめ知っておきたいことを紹介します。
そもそもFAQソフトとは何なのか、メリット・デメリットを解説します。
また、話題のチャットボットについても紹介しましょう。
FAQソフトとは?
「Frequently Asked Questions」の頭文字を取った略語、FAQ。
「エフ・エー・キュー」と読むことが一般的です。
「頻繁にたずねられた質問」という意味がありますが、質問に対する答えを用意するため「質問と対になる回答」が用いられるQ&Aと基本構造は一緒です。
しかし、「よく聞かれる質問」にフォーカスしていることがQ&Aとは異なる点です。
使用するツールはエクセルやスプレッドシートから、FAQ専用のソフトやサービス、チャットボットが多いでしょう。
FAQソフトは、専用で設定されたソフトで、構築するための使い勝手やお問い合わせを探したいユーザーも使いやすいツールです。
作成・管理だけではなく、いつ誰がどのようにアクセスしたかといった分析機能をもっている点が、エクセルと大きく異なります。
FAQソフトとエクセルを比較したメリット
専用のFAQソフトは基本的にWebで提供され、その多くのソフトが検索性を第一に設計されるため、調べたい情報に手軽にアクセスが可能なことがメリット。
そのため、掛け合わせとなる複数の単語も無理なく手軽に探せます。
エクセルはPCであればおおよその環境で開くことができますが、弱点は検索がおこないにくいこと。
単一の言葉であればまだ良いですが、複数の言葉の掛け合わせを検索しようとする上手く見つけ出すことができません。
例えば、外部へ発注する際のルールを確認したいシーンがあったとします。
検索に必要な言葉は「外部」「発注」「ルール」の3つですが、専用のFAQソフトであればWebと同様に検索できるための高い確率でヒットします。
しかし、エクセルの場合、掛け合わせての検索は基本的にできませんし、それぞれの単語ごとで検索すると数多くのセルがヒットするため見つけ出すことは困難です。
FAQソフトとエクセルを比較したデメリット
専用のFAQソフトを使うデメリットは、そのツールの使い方を学ぶ必要があること。
Webサービスと一体になっているため、HTMLの作業は不要であったとしてもWebの仕組みを理解しなければ使えない場合が多いでしょう。
また、無料で使えるプランもありますが、機能が制限されている場合があり、フル活用するには費用が発生する場合があります。
誰でも、どのような環境でもほぼ確認できるのがエクセルを用いることの最大の理由。
行と列で構成されますから質問項目とその答えを整然と列記できるため、作りやすく、そして見やすいことがエクセルのメリットです。
チャットボットとの違い
FAQを作ったのに電話やメールで直接問い合わせが減られない場合は、ユーザーに「調べる」行動をさせていることが、そもそも問題かもしれません。
直接の問い合わせは「聞く」行動になります。
であれば、聞く行動にそった環境を構築してみるのも手です。
チャットボットは「チャット=おしゃべり」+「ボット=ロボット」の略。
人の代わりにチャットを実行するプログラムの総称で、つぶやかれた言葉から予め用意しておいた質問と答えをベースにしたシナリオ(台本)によって適切な答えを提示するシステムです。
使用するユーザーはメッセンジャーアプリに似たインターフェイスに質問を「聞く」ように問いかければ、その答えが表れます。
AIを搭載して言葉の揺らぎ(同じ意味で異なる表現。例えばルールと規則など)を吸収して求められる質問を適切に判断するチャットボットもあります。
ただし、多くのチャットボットはシステム使用料であったり、課金制であったりなど、初期費用やランニングコストがかかる場合があるため、問い合わせの量や質を鑑みて検討すると良いでしょう。
当社では、AIチャットボット「KUZEN」を提供しています。
ご相談を検討されている企業様は「お問い合わせ」からご連絡ください。
社内用におすすめ! 無料からはじめられるFAQフリーソフト7選

社内用となればいきなりコストをかけるわけにはいかない場合も多いはずです。
まずは、無料で始められるFAQソフトで試してみるのが良いでしょう。
おすすめの7つについて紹介します。
1.helpfan

「helpfan」は、個人や法人、商用、複数アカウントなど、無料で使えるFAQ構築ツール。
初期費用や利用料金、更新費用は一切不要で、完全に無料で利用を開始できます。
作成したFAQはレスポンシブル対応でPCからスマホなどのあらゆるデバイスで閲覧可能です。
管理画面から「このヘルプは参考になりましたか?」という参考率を確認できます。
2.Tayori

完成イメージを確認しながら作成・編集ができるため、イメージ通りのFAQを作成できる「Tayori」。
FAQ以外にも問い合わせやメールのフォームの作成が可能です。
無料で使えるフリープランでは、作れるアカウントは1つまでです。
さらに、FAQとフォームも1つまでと制限されます。
複数のアカウント数を持ったり、チャット機能がついたり(プロフェッショナルプランのみ)、広告のクレジットを非表示にできる有料プラン(プロフェッショナルプラン・スタータープラン)も用意されます。
3.phpMyFAQ

多くのFAQソフトやサービスはクラウドサービスを利用するものが多いですが、あらゆる機能を使うには有料版が必要になることがです。
しかし、どこまで使えるか未知数である場合、また自社のサーバが施設内にあるような時にはそのサーバーにインストールする方法もあります。
いわゆるオンプレミス(自社運用)にあたるのが「phpMyFAQ」です。
オープンソフトウェアであり無料で使用可能。
2001年にスタートしたプロジェクトで歴史があり、対応している言語も多いソフトですが、サーバーへのインストールが必要です。
そのためシステム運用が可能なスキルが求められます。
4.Freshdesk

世界で15万社での導入実績がある「Freshdesk」は単なるお問い合わせ一覧表であるFAQを作成するソフトではなく、カスタマーサポートデスクを構築するソフト。
問い合わせをチケット単位で管理し、その返信を記事の下書きとして作成できるため「問い合わせに対する返答」の行動自体がそのままFAQになる仕組みです。
FAQを作成していないためシナリオがない場合に、一から質問と答えを作らなくても良いことが特長です。
5.ナレッジリング

知識や情報を意味する和製英語のナレッジの名前を冠した「ナレッジリング」は、情報の検索機能に優れるFAQソフトです。
FAQのコンテンツの検索だけでなく、登録されたファイル内のデータ検索にも対応しており、エクセルなどで個々の手順を示したマニュアルが多数ある場合に、そのファイル自体をFAQにまとめられる機能もあります。
よくある質問を「知識ランキング」としてトップ画面に掲載できるため、本当の意味での「よくある問い合わせ」を効率良く提示でき、問い合わせの削減にもつながるでしょう。
無料プランはなく、30日間のお試し期間が用意されます。
6.Stock

ストック=保管の製品名の通り、あらゆる情報を保管管理できる「Stock」。
内包されるノート機能を活用するとフォルダ階層形式でノートごとに質問と回答を管理でき、FAQとしての使い方も可能です。
Slackとの連携機能を使えば、Slack上のメッセージを貯められ、進行管理用のFAQとして使えます。
7.SyncAnswer

ブログ感覚でよくあるお問い合わせの一覧を作成できる「SyncAnswer」。
間違いのないFAQづくりに欠かせない公開までの承認フロー機能も搭載しており、効率的な運用が可能です。
FAQコンテンツのPVや訪問者数、検索数などの状況を可視化でき、コンテンツ評価機能でFAQが問題解決につながったのかも評価できます。
PCはもちろん、スマホなどのマルチデバイス対応しており、ユーザーの使い勝手もよく、目的の情報に効率良くたどり着けるでしょう。
社内用FAQをフリーソフトで導入するポイント

社内用にFAQを導入したからといって、いきなり完璧を目指すと挫折してしまいます。
徐々に運用し、社内にしっかり浸透させながら、日々の更新をしっかりとおこなうことが重要です。
いきなり完成を目指さず徐々に導入する
FAQを構築するぞ!
と息巻いて完璧を目指すと失敗します。
本格的に始めるのではなく、少しずつ試験運用すると良いでしょう。
構築する項目をカテゴリーなどでわけて、少しずつ拡張していくのがおすすめです。
社内にFAQソフトを浸透させる
直接問い合わせではなくまずは「FAQを見てもらう」ことを社内にしっかりと伝えて浸透させましょう。
社内の掲示板やメールなどで、しつこく伝えないとなかなか浸透しません。
定期的にアップデートする仕組みを構築する
FAQは一度作成したら終わり、ではありません。
情報自体が更新されるため、その都度変更が必要です。
また、誰がなにを問い合わせしたのかを分析して、満足できたのか、またはどこで離脱してしまったのかを調べたうえで改善をおこうようにしましょう。
PDCAサイクルを日々しっかり回すことがなによりも重要です。
フリーの社内向けFAQソフトを導入して業務改善

社内の問い合わせのため、ある意味身内ですし気軽に答えても良いですが、質問が頻繁するようでは他にやらなければならない業務が滞る原因になるでしょう。
FAQをエクセルから専用のFAQソフトに切り替えるだけで、直接の問い合わせの軽減が期待できるため、社内からの問い合わせに悩んでいたらまずはフリーのFAQソフトを試してみてはいかがでしょうか?