こんにちは!LINEマーケティングツール「KUZEN」編集部です。
LINEは、2023年3月末時点で約9500万人(出典:LINE公式アカウント)の月間アクティブユーザーを抱える巨大なコミュニケーションプラットフォームです。これは日本人の約70%が利用している計算になり、今やLINEは企業のマーケティング戦略に欠かせない存在となりました。
そんなLINEには、「LINEミニアプリ」と「LINE公式アカウント」の2つの主要なビジネスツールが存在します。これらは一見似ているようでいて、その活用方法や効果には大きな違いがあります。
本記事では、これら二つのツールがどのように異なり、どのように相乗効果を発揮するかについて解説します。また、最新の事例を交えながら、これらのツールを最大限に活用するための具体的な戦略と方法を提供します。その差を理解し、適切に活用することで、マーケティングの効果を格段に高めることが可能です。
目次
LINEミニアプリとは?

LINEミニアプリは、LINEプラットフォーム内で動作する小規模なアプリケーションです。LINEアプリ内で、直接利用することができます。多機能でありながら手軽に利用できるという特性から、企業のビジネスやマーケティングでも注目されています。
LINEミニアプリの特徴
手軽さ
専用のダウンロードやインストールを必要とせず、LINEアプリ内で直接利用可能です。
多機能性
店舗での会員証提示やポイントシステム、レストランの事前予約や事前オーダーさらにテーブルオーダーなど、様々な機能を提供できます。
LINEミニアプリの利用シーンとは?
ミニアプリの特性を活かした利用シーンは幅広く、ユーザーの日常生活を便利にするサービス提供から、ビジネスの効率化に至るまで多岐にわたります。以下にその主な利用シーンを挙げてみましょう。
顧客の利便性を向上させる
- 飲食店でのモバイルオーダー
- 店舗での会員証提示やポイントシステム
- イベントチケットの予約など
マーケティングへの活用
- 直接的な商品販売やサービス提供
- LINE公式アカウントと連携したターゲット層へのアプローチ

企業にとっては、LINEミニアプリを通じた商品販売やサービス提供だけでなく、マーケティングの観点からも様々な利用シーンが考えられます。
LINEミニアプリを活用するための3つのポイント
LINEミニアプリを最大限に活用するためには以下の3つのポイントが重要となります。
1. ユーザー理解
ユーザーのニーズや行動を理解し、それに合わせたサービス開発を行います。
2. UX設計
手軽に利用開始できるメリットを活かすために、ユーザー体験(UX)を考慮して設計します。
3. マーケティングに活用する
直接的な収益だけでなく、ブランドの認知度向上など、間接的な効果を期待できるマーケティングツールとして活用します。
LINEミニアプリのメリット・デメリット

LINEミニアプリのメリットとデメリットについてご紹介します。
LINEミニアプリの3つのメリット
1. アクセシビリティの高さ
LINEミニアプリは、特別なダウンロードやインストールなしでLINEプラットフォーム内で利用できるため、ユーザーは手軽にアプリを試すことができます。これにより、新たなサービスや商品へのアクセス障壁が低くなります。
2. 高いエンゲージメント
LINEは既に多くのユーザーが日常的に使用しているプラットフォームであるため、LINEミニアプリはその利便性と親近感を活かし、ユーザーとの高いエンゲージメントを達成することが可能です。
3. 効率的なマーケティング活動
LINEミニアプリを使用すると、ユーザーの行動データをリアルタイムで取得でき、それに基づいてマーケティング戦略を即座に調整することが可能です。
LINEミニアプリの3つのデメリット
1. 開発環境の制約
LINEミニアプリは、LINEが提供する特定の開発環境でのみ作成できます。そのため、開発者はこの環境に制約され、独自の開発環境やフレームワークを使うことができません。
2. ユーザーデータの利用制限
LINEミニアプリは、ユーザーデータの利用に一定の制限があります。これにより、ユーザーに対する深い理解や洞察を得ることが難しくなる可能性があります。
参考リンクURL:
・LINEチャネル同意画面(LINE Developers)
3. プラットフォーム依存性
LINEミニアプリは、LINEプラットフォームに大きく依存します。そのため、LINEプラットフォームのポリシーや利用状況の変化に影響を受けやすいです。他社アプリに比べて柔軟性に欠け、ビジネスにおいては、差異化や個性を出すのが難しいデメリットがあります。
LINEミニアプリとLINE公式アカウントの違い

LINEミニアプリとLINE公式アカウントの違いについてご紹介します。
LINE公式アカウントとは?
LINE公式アカウントは、企業や団体が自身の情報やメッセージを配信し、ユーザーとコミュニケーションを取るためのツールです。
商品情報やプロモーションの配信、カスタマーサポートといった様々な目的で使用されます。また、ユーザーが友だち追加することで、直接メッセージを送受信することが可能になります。
両者の機能と使用目的の違い
LINEミニアプリは、独自アプリをダウンロードしなくても、LINE内で使用できるアプリのことを指します。会員証提示やポイントシステム、さらに予約システムなど、多岐にわたるサービスが提供されています。
一方LINE公式アカウントは、情報やメッセージの配信といった、ダイレクトなコミュニケーションを目的としています。

LINEミニアプリはサービスの提供、LINE公式アカウントはコミュニケーションという、それぞれの目的が明確に分けられています。
ユーザー体験の違い
LINEミニアプリでは、アプリ内で完結するサービスが体験できます。店内と店外の両方での注文、会員証提示や順番待ちシステムなど、特定のアクションを行うことがメインです。
一方、LINE公式アカウントでは、友だちが受け身になる情報配信に加え、問い合わせやカスタマーサポートといった双方向のコミュニケーションも可能です。
マーケティング戦略への適用
LINEミニアプリはユーザーが具体的なアクションを取ることが可能であるため、店舗でのユーザビリティ向上に適しています。
一方、LINE公式アカウントは新商品の情報配信など、ブランドの認知向上や商品購買への誘導に有効です。
データ分析と改善策の違い
LINEミニアプリではアクションごとのデータが取得できるため、ユーザーの行動パターンを詳細に把握し、サービス改善やマーケティング戦略の修正に役立てることができます。
一方、LINE公式アカウントではメッセージの開封率やクリック率など、情報収集の観点からデータ分析が行われます。
コストパフォーマンスとROIの比較
LINEミニアプリの開発にはコストがかかりますが、それが直接的なビジネス成果につながるため、ROIは高くなります。
一方、LINE公式アカウントの運用コストは低いですが、直接的なビジネス成果以上に、ブランディングや顧客満足度向上に有用です。しかし、ブランディングや顧客満足度向上は長期的なビジネス成果につながるため、ROIは確実にあります。
LINEミニアプリとLINE公式アカウントの相乗効果

LINEミニアプリとLINE公式アカウントの相乗効果についてご紹介します。
相乗効果で効率的に友だちが獲得できる
LINEミニアプリと公式アカウントを一緒に活用することで、効率的に友だち獲得の機会を増やすことが可能です。これは、LINEミニアプリ使用と同時に、公式アカウントに登録させることができるからです。
LINE公式アカウントからの情報発信をミニアプリと連携させることで、ユーザーの興味やニーズに即した提供が可能となり、効率的に再来店を促すこともできます。

また、LINE公式アカウントにLINEミニアプリのCTA(Call to Action)を設定することで、ユーザーの接触ポイントを増やすことも可能です。
LINEミニアプリのプッシュ通知で離脱防止
ユーザーの離脱を防ぐためには、友だちとのエンゲージメントを継続的に保つことが重要です。LINEミニアプリでは、プッシュ通知機能を活用して、ユーザーに対するリマインドや新たな情報提供が可能です。

LINE公式アカウントからのメッセージだけでなく、LINEミニアプリ自体からも通知を送ることで、ユーザーとのコミュニケーションを多角化し、離脱を防ぐことが可能となります。
相乗効果によるブランド認知度の向上
LINE公式アカウントとミニアプリの連携は、ブランド認知度の向上にも貢献します。LINE公式アカウントからのメッセージ配信と、それを補完する形でのミニアプリの活用が、一貫したブランドメッセージの提供を可能にします。
ユーザーエンゲージメントの促進
LINEミニアプリと公式アカウントを通じて、ユーザーエンゲージメントを促進させられます。LINEミニアプリで提供するコンテンツやサービスがユーザーの満足度を向上させ、LINE公式アカウントとのコミュニケーションがリピート訪問を促します。
データ分析と最適化戦略
LINE公式アカウントとミニアプリのデータ分析を通じて、運用戦略を最適化させられます。収集したデータをもとに、どのコンテンツがユーザーの反応を得ているのか、どの時点で離脱が起きているのかなどを把握し、それを基に最適化のアクションを取ることが必要です。

データ分析と最適化戦略により、エンゲージメントの向上が可能です。
LINEミニアプリと公式アカウントの運用イメージ
LINEミニアプリは来店時のコミュニケーションに活用する
LINEミニアプリは、来店時の顧客とのコミュニケーションを円滑にするための強力なツールです。具体的には以下のように活用できます。
- 会員証提示: 顧客はミニアプリ上でデジタル会員証を提示でき、スムーズなチェックインが可能です。
- 店内オーダー: メニューの閲覧から注文まで、全てミニアプリ上で完結できます。待ち時間を減らし、顧客満足度を向上させられます。
LINE公式アカウントは再来店を促すためのメッセージ配信に活用する
再来店を促すためには、LINE公式アカウントのメッセージ配信機能が効果的です。具体的には以下のような活用方法が考えられます。
- パーソナライズされたメッセージ: 顧客の購買履歴や興味を反映したメッセージで、次回の来店を誘導します。
- クーポンや割引などの特別オファー: 限定割引やイベント情報など、LINE公式アカウントからの独占情報を提供し、顧客ロイヤリティを高めます。

LINEミニアプリと公式アカウントは、それぞれ異なる目的で効果的に活用できます。
LINEミニアプリは、来店時のスムーズなコミュニケーションを実現します。一方で、LINE公式アカウントは再来店を促すための強力なツールとなります。
両者の連携によって、顧客との関係を深化させ、ビジネスの成長を促進することが可能です。
[最新]LINEミニアプリの導入事例
![[最新]LINEミニアプリの導入事例](https://www.blog.kuzen.io/wp-content/uploads/2023/07/social-media-g637c82368_640-1.jpg)
最新のLINEミニアプリの導入事例をご紹介します。
LINEミニアプリ/ミズノ株式会社

(出典:PR TIMES)
ミズノはQRコードを用いたLINEミニアプリとの連携を強化し、レジ前やイベント会場で簡単な仮会員バーコードの発行やLINE公式アカウントへの友だち追加を可能にしました。
さらに、LINEログインを利用してミズノ公式オンラインへの本会員登録とLINEのID連携も実現し、シームレスな購買体験を提供しています。会員登録フローの簡略化と、後のCRMのための情報取得・連携の最適化を同時に図り、ユーザーにとって便利なサービスを提供しています。

これにより、ユーザーはECサイトの情報をLINEで直接受け取ったり、店舗やECサイトで会員証を提示してポイントを得ることが可能になりました。
ハイベルさん/東急株式会社

(出典:東急ホームページ)
2023年2月1日から、東急、プロロジス、ウィルポート、ジャストプランニングは、LINEミニアプリで注文できる「東急ベルのおつかいサービス ハイベルさん」を東急線沿線エリアで開始し、順次拡大しています。
プロロジスの運営ノウハウとウィルポートの輸配送管理システムを活用して「オープン型ラストワンマイル配送プラットフォーム」を構築し、衣料品メーカー、宅配クリーニング、ドラッグストアの配送など、多様な取り組みを行っています。

「ハイベルさん」は、食材や日用品、百貨店の高級弁当、東急線沿線の名店が提供する商品を東急ベルが「おつかい」するサービスで、LINEミニアプリ上で注文が可能です。
HELLO CYCLING for LINE/OpenStreet株式会社

(出典:HELLO CYCLINGホームページ)
OpenStreetは、LINE上で自社のシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」を簡単に利用できるLINEミニアプリ「HELLO CYCLING for LINE」の対応エリアを2023年6月6日から全国へ拡大したと発表しました。

通常、「HELLO CYCLING」の利用にはアプリのダウンロードや会員登録が必要ですが、LINEミニアプリにより「LINE」アプリ上で自転車の予約、決済、返却が可能になりました。
みせめぐMini/株式会社ビジコム

(出典:みせめぐホームページ)
ビジコム株式会社は、店舗アプリ「みせめぐ」の最新のバージョンアップとして、LINEミニアプリ「みせめぐMini」の無料提供を開始しました。「みせめぐMini」を使用することで、LINE上で簡単にデジタル会員証が利用でき、会員数の増加が期待できます。

既存の「みせめぐ」ユーザーだけでなく、新たに「みせめぐMini」を使用するユーザーにとっても利便性が増します。
LINEミニアプリ/FC琉球

(出典:FC琉球ホームページ)
サッカー・JリーグのFC琉球は、2023年5月3日に開催されるJ3リーグガイナーレ鳥取戦から、FC琉球のLINE公式アカウントで「LINEミニアプリ」の提供を開始しました。「LINEミニアプリ」では、QRチケットや会員証をLINE上で表示したり、その場で結果が分かる抽選会などが利用可能です。

利用にはJリーグIDとLINEのID連携が必要で、不定期でのLINE限定キャンペーン開催予定です。これにより、観戦体験がより便利でエキサイティングなものとなることが期待されます。
Lメンバーズカード/合同会社Oblivion


(出典:Lメンバーズカードホームページ)
(出典:Lメンバーズカードホームページ)
合同会社Oblivionが提供するLINEデジタル会員証システム「Lメンバーズカード」が、大阪のサードプレイスクリニックに診察券アプリとして導入されました。LINEミニアプリと電子カルテの組み合わせによる予約受付が可能となり、クリニックのデジタル化が進展しました。
サードプレイスクリニックは顧客獲得の囲い込みを目指し、クラウド型電子カルテサービス「MEDIBASE」との連携やコスト削減のためにLメンバーズカードを採用しました。Lメンバーズカードの導入により、クリニックの予約は30%以上がLINEカレンダーに移行し、予約受付・管理業務のコスト削減も達成されました。今後は、LメンバーズカードのECショッピング機能を活用して、LINE上での商品販売を計画しています。

他にも「Lメンバーズカード」は、クラウド型スマートロック「RemoteLOCK(リモートロック)」と連携した回数券機能、入退室管理、月額会員(サブスクリプション)管理、デジタル会員証、イベント予約といった機能も提供しています。
SUNAMO+(スナモプラス)/南砂町ショッピングセンターSUNAMO
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(出典:PR TIMES)
南砂町ショッピングセンターSUNAMOで、LINEミニアプリ「Kit-Curu」の導入が発表されました。
「Kit-Curu」は、株式会社アイリッジが開発した、ノーコード・低コストで販促用LINEミニアプリです。顧客関係管理(CRM)や来店分析、集客施策を行えるLINEミニアプリで、顧客の行動を把握し、分析や配信の最適化を図ることが可能です。
これにより、スナモは顧客属性や行動を理解し、スタンプカードを通じた顧客の囲い込みが可能になります。LINEミニアプリ「Kit-Curu」は、2023年1月10日に「SUNAMO+」の名称で公開されました。

「SUNAMO+」はスタンプカードとクーポンを提供し、来店者はQRコードを読み取ってスタンプを貯め、クーポンに交換できます。このシステムは、店舗の集客や顧客エンゲージメント向上に貢献します。
LINEミニアプリと公式アカウントの相乗効果でDXを推進させられます

LINEミニアプリとLINE公式アカウントの違いや相乗効果を最大限に発揮する方法、さらに最新事例についてご紹介しました。
LINEミニアプリとLINE公式アカウントは、その特性と活用方法に違いがあります。この違いを理解し、適切に活用することで大きな相乗効果を発揮させられます。最新の事例を通じて見てきたように、先進的な企業やブランドは既にこれらの相乗効果を最大限に引き出す戦略を展開しています。単体で使用するだけでなく、互いに連携させることで、より高度なユーザーエンゲージメントや効果的なマーケティング戦略が実現可能です。
テクノロジーとマーケティング戦略の進化に伴い、LINEミニアプリとLINE公式アカウントの機能や活用方法も進化し続けます。そのため、最新のトレンドや情報を常にチェックし、これらのツールを最大限に活用するための戦略を柔軟に更新し続ける点が重要です。
集客とファン化を効果的に実現
LINEマーケティングツールKUZEN
KUZENは、集客とファン化を効果的に実現するLINE公式アカウントの拡張ツールです。
顧客それぞれの嗜好やタイプに合わせたセグメント配信、CRMツール等との柔軟な連携など、高度な機能を網羅。マーケティング施策の立案から効果検証、運用代行まで、継続的なサポートを行い、LINE運用を成功に導きます。
事前のアプリダウンロードやアカウント作成を必要とせずにサービスを利用できる点が特徴です。LINEミニアプリは、主に店舗における顧客の利便性向上に貢献します。