「チャットボットって何ができるの?」
「チャットボットの仕組みや活用事例を見てみたい」
このようなお考えはありませんか?
日常生活において、チャットボットを見聞きする機会が増えてきました。チャットボットは業務効率化や顧客満足度の向上にも寄与するため、導入する企業が増加しています。
しかし、「チャットボットについて改めて詳しく調べてみたい」と感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、チャットボットに関する以下の内容を紹介します。
- チャットボットの仕組み
- チャットボット導入のメリット・デメリット
- チャットボットの活用事例
「チャットボットの歴史やAIとの違い」についても解説しますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
チャットボットとは?AIとの違いについても解説
はじめに、チャットボットの基礎を解説します。世界や日本での歴史も合わせて確認していきましょう。
そもそもチャットボットとは?世界や日本での歴史
チャットボットは、「チャット」と「ボット」の2つが合わさった言葉です。
チャットとは、ネットワーク上でリアルタイムに会話ができる仕組みを指します。
一方で、ボットは事前に設定した指示に基づいてタスクや処理を自動化できるプログラム・アプリケーションのことです。ボットは「ロボット(robot)」が語源になっています。
つまりチャットボットとは、ネットワーク上の会話を自動化できるプログラムのことです。
チャットボットの起源は、1960年代に開発された「ELIZA(イライザ)」と言われています。入力されたテキストに対してコンピューターが自動で応答する仕組みは、当時の人々を驚かせました。
日本語に対応するチャットボットの起源は明らかになっていませんが、1980年代には存在していたと考えられています。
日本でチャットボットが本格的に普及し始めたのは、2016年頃です。FacebookやLINEにチャットボットの機能が追加され、その後は各企業での導入が急速に広がっていきました。
チャットボットとAIの違い
チャットボットと合わせて「AI(人工知能)」という単語を耳にする機会もあるのではないでしょうか。
AIに決まった定義はありませんが、一般的には「人間の知的なふるまいを人工的に再現したもの」という意味で捉えられることが多いです。
「チャットボット=AI」と考えている方がいらっしゃるかもしれませんが、それは正しい認識ではありません。
チャットボットには、大きく分けて「AI搭載型」と「AI非搭載型」が存在します。つまり、AIを活用したチャットボットもあれば、そうでないチャットボットもあるということです。
なお、AIとチャットボットの違いについては「AIとチャットボットの違いは?それぞれの特徴を分かりやすく解説!」でも解説しています。
チャットボットの仕組み
基本的に、チャットボットは「アプリケーション」と「botシステム」をAPI連携させることで成り立っています。
APIとは、アプリケーションとプログラムを連携させる仕組みのことです。
ユーザーの問いかけはAPI経由でbotシステムに送信され、botシステムがキーワード分析やメッセージ解析をおこない、返答を生成します。
返答はAPI経由で再びアプリケーションに戻され、チャットボットでの会話が成立する流れです。
なお、チャットボットの仕組みについては「AIチャットボットの仕組みは?違いや導入のメリット・デメリットを解説」でも解説していますので、さらに詳しく知りたい方はご一読ください。
チャットボットの種類
チャットボットは、返答の仕方に応じて以下4つのタイプに分かれます。
- 選択肢タイプ
- 辞書タイプ
- ログタイプ
- Elizaタイプ
それでは1つずつ見ていきましょう。
選択肢タイプ
あらかじめ用意された選択肢(シナリオ)をユーザーに選んでもらい、選択肢に沿ってユーザーを導くタイプです。
ユーザーからの問い合わせに対する回答が、ある程度パターン化されているような対応に向いています。
例えば、カスタマーサポートが複数のお客様から同じ内容の質問を受けていた場合、選択肢タイプのチャットボットを導入することで業務効率化を図ることが可能です。
辞書タイプ
あらかじめ「キーワード」と「キーワードに対する回答」の組み合わせを登録し、該当キーワードが入力された場合に自動回答するタイプです。
例えば、ユーザーが「価格」と入力すると、登録された辞書の中から「価格」に関する内容を引き出して回答します。
フリーワードで入力した内容に対して素早い返答が返ってくるため、ユーザーは会話をしているような感覚を味わえます。
ログタイプ
蓄積された過去のデータをもとに、入力内容に対して最も正解に近い回答を提示する機械学習型のタイプです。
例えば、「Aの会話が出た後は、Bと返答することが多い」のようなデータを蓄積し、実際に「A」と入力された場合にBと回答するようになります。
データを蓄積すればするほど、回答の精度も向上させることが可能です。
Elizaタイプ
チャットボットの起源とされる「Eliza」に由来し、基本的には聞き役に徹するタイプです。ユーザーの問いかけに「はい」か「いいえ」で回答したり、会話を要約して返したりします。
最近では、AIを導入することで聞き役に徹するだけでなく質問を返せるようになったため、コミュニケーションの幅も広がっています。
チャットボット導入のメリット・デメリット
ここで、チャットボット導入のメリット・デメリットを紹介します。
- チャットボット導入による企業側のメリット5つ
- チャットボット導入によるユーザー側のメリット4つ
- チャットボット導入によるデメリット3つ
ぜひ参考にしてみてください。
チャットボット導入による企業側のメリット5つ
企業がチャットボットを導入することで得られるメリットは、大きく以下の5つです。
- 24時間365日対応できる
- 人手がかからない
- マーケティングのデータに使える
- 顧客と新しい接点を持てる
- 対応のクオリティを均一化できる
有人対応であれば営業時間内に限定されてしまいますが、チャットボットなら時間の制限がありません。人手がかからなくなるため、それまでの担当者を別な業務に回すことが可能です。
チャットボットはマーケティングにも活かせます。蓄積されたデータを分析することで、新たな顧客ニーズが見つかることもあるでしょう。
属人化していた問い合わせ対応をチャットボットに任せれば、クオリティの均一化につながり、顧客満足度のさらなる向上も図れます。
チャットボット導入によるユーザー側のメリット4つ
ユーザー視点のメリットについて、以下の4つを紹介します。
- 夜間休日でも問い合わせができる
- 気軽に問い合わせができる
- 待ち時間が少なくすぐ確認できる
- 嗜好を踏まえて提案してくれる
チャットボットは24時間365日対応できるため、自分の好きなタイミングで問い合わせることが可能です。
人同士だと話しづらい内容でも、チャットボット相手なら心理的ハードルが下がり、気軽に問い合わせができます。
また、AIの機械学習により、ユーザー自身では発想できなかった提案がもらえることもあるでしょう。
なぜなら、AI搭載型のチャットボットでは、蓄積データを分析した精度の高い回答が可能になるからです。
チャットボット導入によるデメリット3つ
チャットボットの導入時には、以下のようなデメリットを考慮しなければなりません。
- 初期投資とランニングコストがかかる
- 人が対応しなければいけない場面もある
- データの収集/改善が必要になる
チャットボットには、自作する方法とチャットボットツールを活用する方法があります。
チャットボットの自作には、高度なプログラミング技術が必要です。自社に有望な人材がいない場合は、新たにエンジニアを雇う必要が出てきます。
また、チャットボットツールは一度導入して終わりではありません。導入後もランニングコストが発生するため、それらを見越した上で導入を検討しましょう。
チャットボットは、全ての問い合わせに回答できる訳ではないという点にも注意が必要です。
「よくある質問」のような簡単な問い合わせにはチャットボットを活用し、複雑な質問や柔軟な対応が求められるケースでは有人対応に移行することをおすすめします。
より精度の高いチャットボットにするために、データの収集/改善をおこなうことも重要です。
なお、チャットボットのメリットやデメリットを詳しく知りたい方は、「AIチャットボットのメリット9つ!デメリットも合わせて解説」をご覧ください。
チャットボットの活用事例2選
ここでは、AIチャットボットと選択肢タイプの活用事例をそれぞれ紹介します。
- 【ヘルプデスク】AIチャットボット:カルビー株式会社
- 【カスタマーサポート】選択肢タイプ:株式会社新生銀行
それでは、1つずつ見ていきましょう。
【ヘルプデスク】AIチャットボット:カルビー株式会社
菓子・食品の製造・販売を手掛けるカルビー株式会社は、ITヘルプデスクの負担を減らすためにAIチャットボットを導入しました。
同社は業務で使用するさまざまなツールを導入していたものの、ツールの使い方や活用方法に関する社員からの問い合わせがITヘルプデスクに多く寄せられていたのだそうです。
チャットボット導入時には、「自動学習機能」に加えて「シナリオ型」であるものを選びました。
この選択の背景には、「将来的にお客様が使うことも見越して会話フローが組めるものを試したい」という思いがありました。
社内の問い合わせ窓口が人からチャットボットに変わったことで、ITヘルプデスクの対応時間を削減できました。
カルビー株式会社でのチャットボット導入事例について詳しく見る
【カスタマーサポート】選択肢タイプ:株式会社新生銀行
全国に本支店を構える株式会社新生銀行は、お客様一人ひとりに最適な回答を提供するためにチャットボットを導入しました。
フリーワード入力タイプのチャットボットを導入することが多い金融業界ですが、「専門的なワードが多い金融業界において、お客様が言語化に要する負担を減らしたい」という思いから、新生銀行は選択肢タイプを導入。
チャットボット側が回答の選択肢を提案することで、お客様の負担を少なくしつつ業務効率を上げる効果が期待されています。
株式会社新生銀行でのチャットボット導入事例について詳しく見る
なお、以下の記事ではチャットボットの導入事例を5つの業界に分けて紹介しています。事前に抱えていた課題やチャットボット導入後の効果が分かりますので、関心のある方はぜひご覧ください。
まとめ:チャットボットの仕組みや種類を理解して自社での取り組みに活かそう
今回は、チャットボットの仕組みや種類、メリット・デメリットなどを解説しました。
チャットボットは、業務効率化や顧客満足度の向上につながるツールです。種類に応じて得意不得意があるため、自社の抱える課題に合ったチャットボットを選択しましょう。
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